マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》

マツダが2013年11月21日に発売した新型『アクセラ』。発売から4ヶ月での受注台数は2万5000台を超える好調振りを見せている。

同社の"SKYACTIV TECHNOLOGY"や“i-ACTIVSENSE”を搭載し、ガソリン、ディーゼル、ハイブリッドと3種類のパワートレインをラインナップ。さらに、新世代カーコネクティビティシステム“マツダコネクト”を採用した新型アクセラの誕生秘話と魅力を探るべく、開発陣に「10の質問」を行った。

Q4.ディーゼル搭載のアクセラスポーツXD、その位置付けは?
A4.走り、デザイン、音までもを作り込んだ、イメージリーダーとなる存在

『アクセラ』にも、『CX-5』や『アテンザ』と同じ2.2リットルのディーゼル搭載車が用意されている。しかし、その価格はちょっと衝撃的だ。本革シートに電動サンルーフ、BOSEのサウンドシステムまで標準装備しているといっても税抜きで284万円は、20S Lパッケージより2割は高い。アクセラスポーツのXDの価格はアテンザXDより高いのである。しかも、アクセラに用意されているディーゼルは、このXDだけだ。この疑問を開発主査の児玉氏にぶつけてみた。アクセラスポーツXDとは、どういう位置づけのクルマなのであろう。

「同じディーゼルエンジンを搭載した仕様でもCX-5、アテンザとはポジションを変えています。アクセラのディーゼルは、販売台数を稼ぐ仕様ではなく、イメージリーダーとなるスポーティバージョンを作ろうということになったんです」。

考えてみれば欧州では、ディーゼルのスポーツモデルは当たり前のようにラインナップされている。それにしてもこのXD、どういうプロセスで開発が進められたのだろう。

「まず値段を先に決めたんです。300万円台の輸入車と比べられても、遜色ないクルマにしようと。そこで、まず価格を300万円に設定しました。そして300万円台クラスのクルマに相応しい内容に仕上げていったんです。インテリアは専用のクロスステッチをステアリング、サイドブレーキなどに施しています。革シートもスウェード調とのコンビネーションですし、ステアリングのレザーのランクも上げています。フロントグリルにも赤いラインを入れ、リヤのバンパーボトムをピアノブラック仕上げにして、18インチのホイールも専用の高輝度塗装を施しました」。

リヤサスペンションはハブベアリングのサイズをアップし、ダンパーも容量を高めるなど単なるセッティングの領域を超えた、専用チューニングが施されている。価格だけを見るとXDは高価に感じるかもしれないが、Lパッケージを超える装備を仮にオプションで積み上げると相当な価格になるハズ。むしろ新型アクセラの中でも一番コストパフォーマンスが高いかも知れない。「実はかなりお買い得な設定なんです」と児玉氏。最初に価格を決めた関係上、後から価格を上げられなくなった?という筆者の意地悪な質問にも「そうなんです」と認めたのだった。

XDは本当にディーゼルかと思うほど静かであるし、高回転まで引っ張ると力強いサウンドがコックピットに響く。特に4600rpmから5000rpmにかけて、回り切るような高まりを感じさせる音が堪らなく気持ちいい。

「XDだけはエンジン音にBOSEのサウンドチューニングを施しています。しかもアクセラの国内専用最上級グレードということで、独自のサウンドチューニングをしているんです。海外では騒音規制の違いもありますし、国民性による好みの違いもあるので、ここまで思い切ったテイストにはしていないんですよ」(児玉氏)。

BOSEのサウンドチューニングとは、オーディオにも使われている走行ノイズ補償システムをエンジンサウンドにも利用したもので、雑味を取り除き、響かせたい音だけを浮かび上がらせてくれる。

「ただ、このサウンドチューニングも量産直前になって、チェックした時に「これは違う」ということになって、もう一度ゼロからやり直したんです。音のチューニングを担当したエンジニアは、なるべくアテンザの音に近付けようとしていたんですね。私と前任の猿渡が想像していたサウンドよりもマイルドというか、大人しいサウンドだった。国内専用のスペシャルバージョンなので、もうちょっとアグレッシブにスポーティさを演出したテイストにしたい、という方向性が上手く伝わっていなかったんです」(児玉氏)。

そこでBOSEのエンジニアにも再度来てもらって、もう一度PCで解析して音を変えて、またテストしてはまた変えてを繰り返して仕上げたと言う。

やはりスポーティバージョンと言うだけあって、走りに振っているからだろうか。同じディーゼルエンジンを搭載していても、アテンザXDの方が1割前後、JC08モードでのカタログ燃費が良い(MT車)。これはアクセラスポーツXDがより走りを優先した結果、なのであろうか。

「アクセラスポーツXDのカタログ燃費がアテンザXDよりも低い理由は、スポーツタイヤを履いているためと、空力面で若干アテンザの方が有利だということが影響しているんです。しかし車重が軽いので、実燃費ではアクセラに分があると私は思っています」(児玉氏)。

装備は充実、そして走りは入念にチューニングされ、官能的なサウンドまでこだわって作り上げられたアクセラスポーツXD。低燃費を求めるなら15Sやハイブリッドという選択肢もあるだけに、420Nmもの大トルクを存分に味わえるプレミアムスポーツこそ、アクセラにディーゼルを搭載した意義がある。アクセラスポーツXDに乗って、児玉氏に話を聞いて、そんな思いが実感として湧いてきた。

マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ スポーツ XD《撮影 平野敬久》 マツダ・アクセラ開発主査の児玉眞也氏《撮影 平野敬久》