ITS世界会議13では、世界一グリーンで安全な道路交通社会を目指し、日本の官民が協力して取り組む協調型ITSシステムによる「ITS GREEN SAFETY」の活動について、公道でのデモを交えながら分かりやすく紹介された。

協調型ITSシステムは、道路インフラ(I)、クルマ(V)、人(P)が相互通信することによって、より安全で環境と人に優しい交通社会を実現。さらに快適な移動に欠かせないリアルタイム情報をドライバーに提供する。

SHOWCASEでは、世界最先端を誇る協調型ITSとして、「次世代DDDS」(I2V)、「通信利用型先進安全自動車」(V2V、V2P)、「ITSスポットサービス」(I2V)、「高速道路サグ部の交通円滑化サービス」(I2V、V2V)、「モバイル通信とITSスポットの協調サービス」(I2V)という5つのデモが行なわれた。ここでは「次世代DDDS」(I2V)のデモ体験について報告する。

次世代DSSS(Driving Safety Support Systems)は、視認が困難な位置に存在する自動車・二輪車・歩行者を検出する。路側の機器・センサーから得た情報を、光ビーコンと電波による路車間通信で車載側に伝え、車載機器(HMI:Human Machine Interface)によってドライバーの注意を喚起するものだ。

次世代DSSSのデモでは、以下の7つのシステムが紹介された。現在、市販車に実装されているシステムは、「出会い頭衝突防止支援システム」(優先道路走行車両支援)のみだ。あとのシステムはこれから順次クルマに実装されていくという。すべてが実装されるにはインフラの整備が必要だ。2020年ごろには実現できるかもしれないが、近未来にはより安全・安心な交通社会が実現されることは間違いないだろう。

◆一時停止規制見落とし防止支援システム

一時停止規制見落としているドライバーに対し、760MHz帯の路側無線装置経由で一時停止の標識を通知するシステム。

◆出会い頭衝突防止支援システム(非優先道路走行車両支援)

優先道路合流時に横断歩行者・直行車両との接触事故を防止するシステム。見通しの悪い場所から歩行者や直行車両が接近してくる際に、路側にあるセンサーが歩行者や直行車両を検知。それらの存在を760MHz帯の路側無線装置を経由してドライバーに知らせてくれる。

◆左折時二輪車衝突防止支援システム

自動車が左折時に2輪車を巻き込んでしまう事故は多い。このシステムは、左折時に後方2輪車との衝突防止事故を防止するもの。出会い頭衝突防止支援システムと同様に、路側にあるセンサーが2輪車を検知し、760MHz帯の路側無線装置を経由してドライバーに注意を喚起する。

◆信号情報活用運転支援システム

信号が青のまま変わらずに通行できるか、あるいは赤信号に変わるのか、事前に知らせてくれるシステム。赤信号減速支援では、信号が赤に変わっても慌ててブレーキを踏まずに済むため、安心・安全な運転が可能になる。

一方、信号通過支援では、無駄に赤信号で停止せず、青信号の流れに沿って走行できるため、燃費も良くなるというメリットがある。そのままの速度を保ちながら青信号で通過できる場合に「KEEP SPEED」と表示される。

赤信号で停止しているときは、あと何秒で青に変わるのか、赤信号の残り時間をドライバーに通知してくれるため、発進の遅れも防止できる。

◆出会い頭衝突防止支援システム(優先道路走行車両支援)

優先道路走行に脇道(非優先道路)から出てきた車両との衝突を防止するシステム。これも注意喚起のアラートが表示される

◆右折時衝突防止支援システム
◆歩行者横断見落とし防止支援システム
基本的に、出会い頭衝突防止支援システム(非優先道路走行車両支援)などと同じ仕組み。

これらのデモで一番印象に残ったのは「信号情報活用運転支援システム」だ。特に信号通過支援は、かなり手前から信号情報をドライバーに知らせてくれ、赤信号が見えている状態で速度を保ったままクルマを走行できた。そのまま走っていて大丈夫かと内心ヒヤハヤしたが、交差点を通過する際には信号はちゃんと赤から青に切り替わった。予め停車をしないで走れることが分かれば、燃費の向上にも大いに貢献できるだろう。