先代のBMW3シリーズに追加装着された衝突事故軽減ブレーキ

大手グローバル自動車産業サプライヤーであるコンティネンタルは、将来技術を紹介するメディア・イベント「Tech Ride」を、千葉県旭市にある同社テストセンターにて開催した。そのプログラムには、クルマには本来搭載されていない機能を盛り込んだ実験車にも試乗できた。

フォード『C-MAXハイブリッド』には、ブレーキ・バイ・ワイヤの「MC-1」が組み込まれていた。つまりブレーキペダルと四輪のブレーキは機械的にはつながっておらず、ペダルは単なるスイッチに過ぎない。この構造で問題となるのはブレーキペダルのフィーリングだ。そのためペダルシミュレータという機構が内蔵されていて、ブレーキペダルを踏んだ強さに比例して、ペダルの反力を作り出している。

具体的にはその反力は金属スプリングによって作られており、ペダルとは反対側からスプリングにかける荷重を変化させることで、反力を調整しているという。普通に踏み込んだ感触は、言われなければ従来のブレーキシステムだと勘違いしてしまうくらいに自然だ。ただし踏み込むスピードを変えてみたり、途中まで緩めた際のペダルの感触は、やはり従来の油圧とはやや違う印象を受けた。もっとも、このあたりは搭載するクルマによってチューニングできる領域だろう。

続いて試乗したのはE90型のBMW『3シリーズ』。これには赤外線レーザーとカメラによる衝突事故軽減ブレーキが追加されている。事前に教えられた情報だと40km/hまでの速度であればぶつからずに止まれる、ということだったが、実際には50km/hでも前車との衝突を免れることができた。このデバイスは、すでにESCが搭載されているクルマならマイナーチェンジ等で装備することができるから、今後急速に採用が進むかもしれない。

最後に乗ったのはスバル『レガシィ』。これにはブレーキのブースターの代わりになる電動ポンプが装着されている。試乗の目的は、このポンプの取り付け位置や取り付け方法によって、静粛性にどれだけ差が出るか、ということだ。最初はエンジンの先端に装着したポンプを作動させてみる。

するとエンジンを停止していれば、わずかにポンプの作動音が聞こえる。ダッシュボード上のポンプのスイッチを切り替えてエンジンの下、サブフレーム上にマウントされたポンプを作動してもらうと、作動音は格段に大きく車内に響くようになった。これはエンジンマウントによって軽減されていた振動が、サブフレームからボディに直接伝わるようになったからだ。最後にエンジンルーム内のメンバー上にマウントされたポンプに切り替えてみる。これまでより一際大きな作動音が響くと思ったら、そうでもない。最初のエンジン前部にあるポンプと作動音の大きさは変わらない。これは直接メンバーに装着するのではなく、独自のマウントを介しているそうで、ここまで低減することができるそうだ。

こうした電動ポンプやポンプ内蔵のECSなどは、車体の軽量化を進める上でも重要な部品だろうが、一般のドライバーにとってはブレーキは確実性こそ最重視すべきもの。電子化を進める中で信頼性の向上と、万一の作動不良となった際にも制動力を確保できるフェイルセーフを確実に用意してもらうことを自動車メーカーには望みたい。

コンチネンタル・テックライドの試乗車 フォードC-MAXハイブリッドでブレーキ・バイ・ワイヤを体験 車内から見た衝突事故軽減ブレーキ作動の様子 ルームミラー部分に追加されたレーザー&カメラセンサユニット スバル・レガシィに追加されたブレーキ用電動負圧ポンプの切り替え実験