SAS 社のドホークTASS拠点

住友商事は10月3日、イラク在自動車ビジネス最大手のサルダールグループの子会社であるSAS Automotive Services(SAS社)に、第三者割当増資にて約3.2億円(45パーセント相当)を出資したと発表した。同件は、イラク戦争後日本企業として初の民間投資、合弁会社案件となる。

住友商事は、SAS社への出資参画を通じ、トヨタ車の整備・修理、補修部品販売、車両販売を行う拠点の展開をイラクの主要地域で進めていくとしている。

具体的には、既存のクルド自治区におけるドホーク、エルビル、クルド自治区のスレイマニア、中央のバグダッド、本年度中に南部のバスラと拠点を展開する。その後、モスルやキルクークにも順次展開を図っていく予定。

住友商事は、1966年にバグダッドに事務所を設立し、自動車や建機、鉄鋼、通信機器分野などを中心に幅広い事業を展開、現在まで自動車分野ではトヨタ車約29万台、日野トラック約1万台、また、建機分野でも合計3万台以上を出荷している。

1991年に勃発した湾岸戦争を機に一時、現場からの撤退を余儀なくされたものの、大規模戦闘終結直後の2003年以降、専任担当者を隣国ヨルダンに派遣。2009年にはイラク戦争後日本企業による初のイラク国内事務所をバグダッドに再開設し、今年4月には、治安が安定し経済発展著しいエルビルに常駐者を派遣した。このほか、石油資源が豊富な同国南部バスラにも活動拠点を設置しており、これらの拠点をベースに、今後も鉄鋼、自動車、建機、インフラなどのビジネスを推進していく構えだ。

今後はSAS社を通じ、高水準の車両整備(メンテナンス)や修理を提供するとともに、高品質な日本ブランド製品の提供を行っていくとしている。また、技術者育成の為のトレーニングセンターも設立予定で、地場の雇用創出、イラク人技術者の技術力工場などの人材育成を通じて、イラクの戦後復興、社会貢献を目指す。