ロームの個体水素源型燃料電池システム(CEATEC13)《撮影 山田清志》

半導体や電子部品を手がけるロームは「CEATEC JAPAN 2013」に画期的な燃料電池システムを展示した。それは、固体水素源型燃料電池システムで、カセットボンベのような専用の缶を燃料電池ユニットに装着するだけで発電するというものだ。

「ホンダの耕耘機『ピアンタ』をイメージして開発しました」とは同社関係者の弁だが、缶の中には樹脂で固形化した水素発生剤粉末が入っていて、水に反応して初めて水素を発生する。そのため、缶自体は非常に安全で、スプレー缶のように火に近づけても爆発する心配はないという。

その缶をユニットに入れると、別の容器に入っている水を吸い込んで水素ガスを発生し、発電セルによって発電する。しかも、電気を使った分だけ水素を発生するオンデマンド型の発電システムになっているので、発電していない場合は、水が供給されないため、余分な水素が発生することもない。「これまでにないまったく新しい発電システムです」と同社関係者は自信を見せる。

固体水素缶1缶で200Whの発電が可能で、消費電力が50W相当のパソコンであれば約4時間動くそうだ。大きさも19×34×29cmと小型で、重量も7kgと軽い。価格はまだ未定だが、アウトドアにはもってこいの商品と言える。

ロームでは、近々京都府などいくつかの自治体で災害用非常電源として実証実験を開始する。その後、市場へ本格投入となるが、室内でも安心して使えるので、この固体水素源型燃料電池システムに大きな期待を寄せている。

ロームの個体水素源型燃料電池システム(CEATEC13)《撮影 山田清志》