トヨタ アギア《撮影 土屋篤司》

トヨタ『アギア』は、インドネシア版の軽自動車ともいうべき、優遇税制適合車である。

アギアが該当車となっているローコストグリーンカー(LCGC)は、インドネシア自動車業界のホットトピック。一定要件を満たし、適合モデルとなると税負担が軽減されるLCGCは、インドネシアの交通網をどのように変えるのか。

これについて、インドネシア大手メディアdetik.comの自動車担当によると「日本の軽自動車のような存在となることを、インドネシア政府が目論んでいる」とのこと。

しかし、日本とインドネシアには大きな違いがある。それは可処分所得の規模と交通網の整備状態だ。

インドネシアでは首都ジャカルタにおいても、自動車を購入する事が可能なユーザー層は一部の高所得者に限られる。さらに鉄道やバスといった公共交通機関の整備、道路網の拡充は喫緊の課題。しかしながら各種整備は、計画通り進まない。したがって、移動手段となるマイバイク・マイカー依存は高まる一方だ。

翻って日本。東京をはじめとする都市部は、所得面での数値は既知として、公共交通機関が“異常”なほど発達しているが故に、クルマは必要ない、とされる。都市から離れた地方での軽自動車の存在感は相対的に高い。

日本における軽自動車は地方部での生活インフラであり、都市部のインフラの基盤は公共交通機関が担っている。

インドネシアでは、都市部の生活インフラとして、クルマが求められている。地方部では、クルマを購入できる水準の収入を得ている人口は限られ、LCGCであってもどれほどのユーザー層が購入可能になるかは未知数だ。

こうした状況下でインドネシアにLCGCが投入されると、首都ジャカルタがクルマで溢れ、渋滞は激しさを加速度的に増していく。ジャカルタの交通網を一層麻痺させるという懸念を抱くのがジャカルタ州知事だ。一方のインドネシア政府は、LCGCの普及を推進する。LCGCの投入については国と自治体の見解にねじれが発生している状態のまま、見切り発車となった。

いずれにせよトヨタ『アギア』とダイハツ『アイラ』はLCGCに認定された。急成長する東南アジア、注目のインドネシア交通網。LCGC投入でどのように変わっていくのだろうか。

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