ジャガー XJ《撮影者 松下宏》

フォードが開発したエコブーストエンジンのひとつに直列4気筒2.0リッターの直噴ターボ仕様エンジンがある。フォードと元フォード系のいくつかのメーカーの複数車種に搭載されている。

そして何とジャガーのフラッグシップサルーンである『XJ』にもこの2.0リッターのダウンサイジングターボが搭載された。

ジャガーXJといえば、高級車としてV型8気筒に代表されるマルチシリンダーエンジンの搭載車と考えるのが普通だが、ジャガーXJの新しい選択肢として4気筒2.0リッターが加わった。

このエンジンは177kW/340N・mの実力を持つ。チューニングが少し異なるが、同じエンジンがフォードのエクスプローラーにも搭載されているのだから、それより300kgも軽いXJを走らせるのに十分な実力であるのは言うまでもない。

2500回転という低めの回転数で最大トルクを発生する味付けだから、ちょっとアクセルを踏めばすぐに最大トルクという感じで、滑らかで力強い走りを見せる。

当然ながら、騒音や振動の面では、大排気量のマルチシリンダーエンジンに及ばない部分が残る。それでもXJ用のエンジンとして適しているかどうかといえば、十分に適していると思う。強いていえば、アイドリングストップ機構が付けばなお良かった。

走りの滑らかさにZF製の8速ATが貢献しているのは言うまでもない。このATはBMWの大半のモデルのほか、最近では多くのメーカーに採用が広がっている。多段ATである分だけ変速ショックが少なく、何速で走っているのか意識しないで走らせられるのが良い。また余分な変速をしないように設定されている。

2.0リッターエンジンを搭載するラグジュアリーの価格は1000万円を切る。フルモデルチェンジでSクラスや7シリーズ並の価格になり、ちょっと手が届きにくくなった感じのあるXJを、やや身近な存在へと引き寄せたのがラグジュアリーである。

2.0リッターではジャガーらしくないよね、そんな風に言うオールドファンも多いだろうと思う。でも最新のXJはデザインに大きな革新を図ったことでも分かるように、新しいユーザーを獲得していく任務を背負ったモデルでもある。それに合致するのが2.0エンジンのラグジュアリーだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★


松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

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