トヨタ自動車 佐々木卓夫常務役員《撮影 小松哲也》

◆トヨタは登録車20万台増で515万台と予測

国内新車需要が業界の年初想定を上回るペースとなってきた。4−6月期の決算発表時にはトヨタ自動車やホンダなどが2013年の需要見通しを上方に見直していることを明らかにした。12年の537万台には及ばないものの500万台ラインは2年連続で維持する見込みだ。円高修正による輸出採算の改善に加え、堅調な内需が自動車各社の業績好転を後押しする展開となる。

13年の国内需要は、東日本大震災後の需要回復やエコカー補助金による需要喚起への反動減から、当初は12年比で大幅な減少が見込まれていた。日本自動車工業会が年初にまとめた市場予測は前年を12%下回る474万台だった。自工会はまだ、この数字を修正していないものの、前半を折り返したところで個別企業では見直しの動きが相次いだ。

トヨタは8月初めの決算発表時に「年初の想定から登録車を20万台多く見直し、全体では515万台程度と見ている」(鈴木卓夫常務役員)と表明した。登録車のみを見直しして年初の295万台から315万台規模に上方修正したのだ。同時に、トヨタの国内販売計画(トヨタおよびレクサス)も年初の140万台から150万台へと引き上げた。

◆軽自動車は記録更新が濃厚に

ホンダも決発表時に岩村哲夫副社長が、総市場で「500万台程度」との見通しを示した。ホンダはトヨタよりやや慎重だが、14年4月からの消費税率引き上げが実施された場合の影響を現時点では織り込んでいないことも、堅めの予測となった。トヨタは税率引き上げを前提に「ある一定の駆け込み需要」(佐々木常務)を見込んだという。

足元では総市場の4割を占めて勢いのある軽自動車の需要予測も、最大手のダイハツ工業が上方修正している。同社は13年度ベースで「当初は180万台規模と見ていたが200万ないし210万台となる見込み」(入江誠上級執行役員)を示した。各社の商品力向上で、登録車からの需要シフトも含め活況が続くと見る。

消費税についてはダイハツも14年度の引き上げを前提に「12月ごろからは駆け込み需要もでてくる」(入江氏)と想定した。これまで軽自動車市場が200万台を突破したのは06年(暦年)の202万台のみであり、軽は過去最高レベルの販売が続くとの見方だ。

◆秋以降は新モデル効果や「駆け込み」顕在化も

トヨタが予測する総需要515万台は、前年比で4%のマイナスという数字。1〜7月の需要実績は318万台で、前年同期比は8%のマイナスだった。ここまでの数字を見ると、トヨタの予測はやや強気にも見えるが、実際はそうでもない。昨年は8月までが大幅増、エコカー補助金が終了した9月以降は減少という展開だったので、秋以降の総需要はプラスに転じるのが確実視されている。

9月に発売されるホンダの3代目『フィット』など、各社の新モデル効果も期待できる。さらに10月に消費税率引き上げの方針が決まれば、消費者心理に「駆け込み」の機運も高まっていく。515万台という見立ては決して楽観方向に振れた数字ではない。

ホンダ・岩村哲夫副社長《撮影・池原照雄》 ホンダ フィットHV(プロトタイプ) ダイハツ・ミライース