R-Mベストペインターコンテストに向けてトレーニング中の菅原選手

独BASFが主催する、自動車補修用の水性塗料を用いた塗装技術者(ペインター)の技術競技会「国際 R-M ベストペインターコンテスト 2013」が今年10月にフランスで開催される。

日本代表として参加するのは、一昨年の日本大会で選出された菅原健二さん(新和自動車)。世界大会への切符を手にしてから、BASFジャパンのトレーナーと共に訓練を積んできた。

菅原さんの所属する新和自動車は東広島市で1972年より創業する自動車整備工場。代表取締役の菊地等さんは15歳からマツダ(東洋工業)で板金工として働き始め、23歳で独立したという経歴をもっている。そうしたバックボーンを持つ菊地さんが独立し、現在までに月の入庫台数は約400台という大規模事業者に成長した。

新和自動車で、近年水性塗料を取り入れた経緯について菊地さんは「人体にも環境にも影響が少なく、仕上がりの性能も高い水性塗料は、どうしてもやらなくてはならないと思っていた。3年前に導入したが、うちは抱えている車の台数が多いので、一度に全てを水性化することは難しい。乾燥性能に優れた塗装ブースなどの設備投資や、技術者のスキルアップなども必要なので、徐々にできるところから始めている」と話す。

そのような中「ベストペインターコンテスト」の話が舞い込み、伸び盛りの若手である菅原さんが出場することになった。

「我々の使命は、お客さんの要望に真摯に対応し、ここに来る前の(車の)状態に近づけるよう全力を尽くすこと。決して楽ではないと思うが、自分の体と持っている時間をフルに使い効率良く作業を進めれば、絶対利益の上げられる仕事。社員やその家族に苦労はさせたくないし、家業ではなく企業にしたいと思っている。(菅原)健二にも世界大会では頑張ってほしい」と語った。

昨年9月から始まった菅原さんのトレーニングは、7月29日に最終日を迎えた。一回のトレーニングに費やされる時間は約一日半。BASFジャパンの門傳(もんでん)コーチが訓練に当たり、精度を高めてきた。

コンテストでは塗膜の均一性、塗料の使用量、塗り作業、道具の洗浄作業などが審査される。菅原さんの課題になっているのは色の調合だ。色の三属性(色相、明度、彩度)に基づき、車体の色に近づけるのは非常に難しい作業だという。

過酷なトレーニングの最中、意気込みを語った菅原さんは「現在の(自分の作業レベルの)完成度は80%くらい。あとは元々得意でなかった調色の部分を克服したい」と話した。

R-Mベストペインターコンテストに向けてトレーニング中の菅原選手 新和自動車には5つの塗装ブースがあり、そのうちの1つが水性専用となっている。 重要な調色作業に臨む菅原選手。 パネルに吹き付けた塗料を乾燥させる菅原選手。 R-Mベストペインターコンテストに向けてトレーニング中の菅原選手 R-Mベストペインターコンテストに向けてトレーニング中の菅原選手 R-Mベストペインターコンテストに向けてトレーニング中の菅原選手 門傳コーチの手にはストップウォッチが。本番を想定して時間を計測している。 R-Mベストペインターコンテストに向けてトレーニング中の菅原選手 新和自動車の調色ブース。 月380〜400台が運び込まれる新和自動車。板金、塗装の整備を行う。 新和自動車(東広島市) 菅原選手の世界大会出場を祝す、新和自動車の社内新聞号外。