GT300優勝の井口、山野、佐々木(左から)。

鈴鹿で開催されたSUPER GT第5戦「ポッカサッポロ1000km」(18日決勝)のGT300クラスは、山野哲也&佐々木孝太&井口卓人のスバルBRZが制した。独走から一転、最後は逆転再奪首しての勝利と、劇的な展開の末にBRZ悲願の初優勝が達成されている。

#61 SUBARU BRZ R&D SPORT(タイヤはミシュラン)は、序盤からブッチギリの独走。セーフティカーによってマージンを失ってもそれをまた稼げるだけの速さがあり、今季5戦目で4回目のポール発進ながら前戦まで表彰台もなしという決勝での流れのわるさも完全払拭、というムードでレースは進んだ。

しかし終盤、またもやBRZは不穏な状況に直面する。序盤にあったという接触の影響が悪化したためか、右リヤの一部が壊れ、それがタイヤをこするかたちになってしまったのだ。リードは大量にある。ドライバーや本島伸次監督の話を総合すると、陣営は「もともと4ストップで行くのには燃料がギリギリだったこともあるので、ピットに呼んでリヤの破損の対応をし、タイヤ交換して給油もする」ことを決断。そして、コクピットの佐々木に「入って! なんとかするから。追いつけて勝とう」という旨の無線連絡が飛ぶ。

緊急ピットインを終えてBRZがコースに戻ると、わずかのところで#4 GSR 初音ミク BMW(谷口信輝&片岡龍也&ヨルグ・ミューラー/ヨコハマ)が先行。しかし、破損対応で「バランスは完璧ではなくなっていた」状態のマシンでも、佐々木は速かった。#4 BMWを逆転、ついにBRZ初優勝が達成されたのである。

一時は「また神様が離れていったかと思った」(佐々木)。だが、水平対向エンジンの低重心が活きる得意のコーナリングコースで、「チームのみんなが勝ちたくて仕方なかった」(山野)という気持ちも通じ、BRZの参戦2年目での初優勝が実現した。

「最後は疲れましたね。セーフティカーの後に2人(山野と井口)がリードを築いてくれていたので、ラクできると思っていたんですけど。終盤のことはよく覚えていないくらい(集中していました)。とにかく勝ちたかったですからね。抜いて、勝つことができました。ホッとしています」(佐々木)。

GT300ではBRZ、CR-Z等のJAF-GT規定車に対して性能面の“締め付け”がいろいろと厳しくなっているが、これでJAF-GT勢の4連勝。ただ、CR-Zの2台は最近の好成績によるウエイトハンデの重さも響いたか、3戦連続2位だった#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀&中山友貴/ブリヂストン)は今回5位、2連勝していた#55 ARTA CR-Z GT(高木真一&小林崇志&野尻智紀/ブリヂストン)はリタイアに終わっている。

2〜3位はFIA-GT3規定車のメルセデスSLS勢。2位が#52 OKINAWA-IMP SLS(竹内浩典&土屋武士&蒲生尚弥/ヨコハマ)で、#62 LEON SLS(黒澤治樹&黒澤翼&中谷明彦/ヨコハマ)が3位だった。なお、#4 BMWは2位でゴールしたが再車検で失格。

次戦第6戦は、9月7〜8日に富士スピードウェイで開催される。

GT300初優勝のスバルBRZ。 ポール発進だったスバルBRZ。 GT300決勝2位のOKINAWA-IMP SLS。 GT300決勝3位となったLEON SLS。 2位でゴールした#4 BMWだが、無念の再車検失格。 鈴鹿での夏の一戦は約6時間の長丁場。 ARTAのCR-ZはGT300クラス3連勝ならず(リタイア)。写真:Honda 無限のCR-ZはGT300クラス決勝5位。写真:Honda 決勝日観衆は3万6000人だった鈴鹿1000km。 1000kmレースは、チーム撤収も遅い時刻となる。 GT500ウイナー(左側2人)とともに記念撮影する、GT300ウイナーのスバル3人衆。