Audi AG 財務担当取締役 アクセル・ストロットベック氏

「Audi みなとみらい」オープンを翌日に控えた8月3日、Preview Nightと名付けられたオープニングレセプションにAuid AGから財務担当取締役 アクセル・ストロットベック氏が来日した。

アウディのグローバル戦略において、研究開発費の位置づけはどのようになっているのだろうか。

「ご存じのように技術の進歩は急激で、企業にとっては課題のひとつですが、アウディではR&D投資を毎年増やし続けています。2013年上半期でも前年同期比で15%ほど増やしました。

アウディが世界的な水準からみても成長している理由は、商品開発、生産設備、そして新しいドライブトレーン(駆動システム)の開発に重点的な投資を行っているからです。新しいテクノロジー、駆動システムの例として、「Eトロン」があります。これは、来年市場に投入されますが、A3をベースにしたプラグインハイブリット(PHV)です。そして同じくA3をベースにした「Gトロン」は、新しいガスエンジンのテクノロジーです。」

続いて、リージョンごとの車種構成や戦略についてはどうだろうか。とくに日本と中国で売れ筋やラインナップに違いがあったりするのだろうか。

「基本的な戦略は、主要マーケットにはすべての車種を投入するということです。その意味で、アジア地域における主要マーケットである日本と中国にはフルラインナップで臨んでいます。特徴を挙げるとしたら、日本ではRS6、RS7、R8のようなC、Dセグメントのスポーツカーが人気です。

中国ではセダン、リムジンの需要が高くA6ベースのストレッチリムジンという特徴的な車が売れています。グローバルでは、SUVの人気は依然として高く、Q5はすでに11万5千台を売り上げるなどマーケットリーダーのポジションにいます。中国でも最近SUVの人気が上昇し、Q3は発売開始2か月でセグメントリーダーとなりました。」

『A3スポーツバック』の新型が9月に日本でも発売されるとのことだが、A3の戦略についても聞いた。

「A3は1996年にアウディにとって初のAセグメントのプレミアムモデルとして発売されました。以来、マーケットリーダーであり続けているモデルです。日本では9月にSportbackの新型が発表されますが、ヨーロッパでは新しいセダンが投入されます。これは6月に新設したハンガリーの工場から出荷されます。A3の革新的なコンセプトやメッセージは変えませんが、C、Dセグメントで進んでいるコネクティビティ(外部接続性)や各種セーフティ機能などは取り込んでいきます。

また、「Audi Ultra」というプロジェクトによって、新型モデルは必ず軽量化させていくという取り組みがあります。新しいA3は旧モデルより70kgも軽くなります。」

円安など為替リスクについてどのように対処していくのか、また円安が進むと値上げの可能性はあるのだろうか。

「数年前はユーロに対して円安でした。ここ2年くらいは円高が続き、われわれにとっては経営がしやすい環境でしたが、現在はその中間くらいの状態という認識です。個人的には、もう少し円が対ユーロ、対ドルで安定してくれればと思っていますが、これは国ごとの政策や経済状況に依存するので、そのつど最適な対応を考えることになります。

価格については、競争力のある価格を維持するというのはわれわれにとって明確な戦略のひとつです。同時に、ブランド、中古車価格の維持のため、市場に対していインセンティブ(割引、キャッシュバック等)は極力導入しないという戦略もあります。」

Audiグループは、グローバルで高い成長を維持しているという。その秘訣はどこにあるのか。またこの上半期は日本市場も高い成長率を示したとのことだが、政策的な影響があるとみているのだろうか。

「われわれの車が評価されるポイントを挙げるとすれば、80年代のクアトロ、90年代のディーゼルやTFSIといった革新的なテクノロジー、ユニークなデザインランゲージ(意匠、デザイン)、C、Dセグメントの強化、確固たるディーラーネットワーク、長期的な戦略、にあると思っています。短期的な売り上げや利益を追求するよりも長期的な視野に立って、ブランドを大切にすることが結果的に市場から評価されているのだと思います。

日本市場の伸びと政策の関係ですが、消費環境が改善されたということが重要だと思っています。現政権の目標もそこにあるとしたら、影響はあったといえるでしょう。しかし、円安など為替の推移は注視しています。円安はわれわれにとって消費環境の変化につながるからです。」

日本ではC・Dセグメントのスポーツタイプが売れるという 新型アウディ A3 スポーツバック 歴代アウディA3シリーズ