2011年以来の戴冠が現実味を帯びてきたアンドレ・ロッテラー。

4日決勝のツインリンクもてぎ戦で7戦中4戦を終えた今季のスーパーフォーミュラ(SF)。タイトル争いでは、今回2位のアンドレ・ロッテラーがリードを拡大しており、最終戦は欠場する予定の彼だが、場合によっては次戦で戴冠決定という可能性も浮上してきている。

ロッテラー(11年王者)とロイック・デュバル(09年王者、今回3位)はアウディのワークスチームから世界耐久選手権(WEC)にも参戦しているため、日程の重なるSFの開幕戦と最終戦(ともに鈴鹿)は欠場。ところが第4戦もてぎ終了時点のポイントトップがロッテラーで、2番手がデュバルという、少々ややこしい状況が現出しているのだ。

■第4戦終了時ドライバーズポイント上位
ロッテラー/29(2勝)
デュバル/20
山本尚貴/18
中嶋一貴/16(1勝)
オリベイラ/16
伊沢拓也/15(1勝)

この混乱(?)に拍車をかけているのが、中止になった8月末の韓国インジェ戦の代替開催問題である。現段階では日程も場所も未定ながら、シリーズ運営団体のJRPは、9月28〜29日のスポーツランドSUGO戦と11月9〜10日の最終戦鈴鹿の間に入れることを狙っている模様。ただ、確実に実現する保証はなく、最悪の場合は“1戦純減”の可能性もある。

そうなった場合で、しかもSUGO戦と最終戦鈴鹿が予定通り「SUGO=通常の1レース制、鈴鹿=1大会2レース制」で開催された想定においてだが、もしロッテラーがSUGOでデュバル以外の面々に19点差をつけると、ボーナス得点のある2レース制の最終戦(ロッテラー&デュバル欠場)で誰かがフルマーク18点を獲得しても届かない。現在、ロッテラーは山本以下を11点離しており、彼がSUGOで勝つか2位になって、他のポイント上位陣が軒並み下位に沈めば“2回休み戴冠”が最終戦前に成就する可能性もあるのだ。

以前、「状況次第では、アウディに相談してみようかな」と冗談まじりに最終戦鈴鹿出走の可能性を話していたロッテラー。だが「鈴鹿と重なっているWEC上海戦は最終戦ではない(からタイトルは決まっていない公算が高い)し、あちらのタイトル争いでもボクは(同じアウディの)デュバル組と争っているのだから、欠場はできない」。そう言ったうえで、「韓国戦代替開催の件も含め、SFの日程をうまく変更してもらえないかな。シリーズ外のJAF-GP(11月22〜24日/富士)を2レース制のシリーズ最終戦にしてもらうとかの変更でもいいんだけど(笑)」と、新たな冗談トークも飛び出した。ただ、本音は「自分にできることは、出るレースでベストを尽くして勝つことだけだ。もちろんタイトルにもトライはするが、仮にそれを獲れなかったとしても、今年のSFに関しては『とてもいいシーズンだった』といえると思うよ」。さすがはル・マン連覇(11〜12年)の実績を誇る世界の王者の言である。今年のル・マンを制した“僚友”のデュバルも気持ちは同じようだ。

最終戦鈴鹿出場確定組のトップは山本。今回はオープニングラップで伊沢と接触し、8位に終わった。伊沢はこのアクシデントにより、痛恨のノーポイント。ただ、残すSUGOと鈴鹿は彼らホンダエンジン勢が強そうな特性のコースなので、まだまだ彼らが初戴冠を果たす可能性もあるだろう。復調を示す完勝劇を演じた中嶋一貴(12年王者)、さらにはオリベイラ(10年王者)も含めたタイトル争いは、日程問題とも絡みつつ、複雑な様相で終盤戦に突入する。

第4戦もてぎの表彰式には、往年のF1ドライバーで、日本の国内レースでも活躍したステファン・ヨハンソン氏が特別表彰プレゼンターとして登場。 デュバルは現在ポイントランク2位。写真:TOYOTA 山本尚貴は現状、条件付きポイントトップと言える状況。写真:Honda 開幕戦を勝った伊沢拓也だが、今回のアクシデントによる無得点が響き、現在ランク6位。写真:Honda オリベイラは今季まだ勝ちがない。現在ランク5位(4位中嶋一貴と同点)。 ファンサービスを行なうロイック・デュバル。 中嶋一貴は今回の完勝を逆転連覇への起爆剤にしたい。 1-2達成で喜ぶトムスの舘監督と笑顔で抱擁するロッテラー(今回2位)。 レース後の車両保管。手前は今回3位のデュバル車。 担当の東條力エンジニアと話すロッテラー。写真:TOYOTA チャンピオン争いとは別に、こういうなごやかなシーンもサーキットにはある。