今季初ポールを獲得した中嶋一貴。

3日、全日本選手権スーパーフォーミュラ第4戦の公式予選が栃木県・ツインリンクもてぎで実施され、中嶋一貴が今季初ポールを獲得した。

通常はノックアウト方式で争われるスーパーフォーミュラの予選だが、今回は“スペシャルステージ方式”。まず30分の通常予選「Q1」が行なわれ、ここで9〜19位は予選順位決定、そして上位8人が「スペシャルステージ」(SS)へと進む。SSでは各自が1ラップの単独タイムアタックを行ない、その結果で予選1〜8位が決定する。

「朝のフリー走行の走り出しから(マシンのバランスは)わるくはないけど、良くもないという状況」だった一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S)は、午後の予選に向けて「(セッティング面で)新しいトライをしました」。そして「それが結果的に良かったんだと思います」ということで、Q1を3位で通過、SSでは自身のアタック終了時点でトップに立つ。あとはジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 Lenovo TEAM IMPUL)とロイック・デュバル(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)の結果待ちだ。

続くオリベイラは一貴のタイムに0.2秒届かず、残すはQ1で他を0.4秒以上突き離し、好調ぶりをアピールしていたデュバルのみ。一貴も「ロイックが速いだろうと思っていた」という存在だが、デュバル陣営にしてみれば、Q1首位通過で最終アタッカーとなったことが結果的にアダとなったかもしれない。一貴が前後ともニュータイヤで好アタックを披露したのを見てしまったことで、ニュータイヤで行くか、スクラブ(皮むき)したタイヤで行くか、その判断に少々揺れてしまったのだ。

真夏のドライコンディションにしては思ったほど暑くならなかったこの日、しかも通常とは違う予選方式のなかで各陣営は悩んだ(SSではフロントにスクラブ、リヤにニューという選択をする陣営なども)。デュバル陣営はコースイン直前まで判断を持ち越したが、そこに機器の不備が重なるなどした結果、最終的にはスクラブタイヤでのアタックを選択。「わるいアタックではなかったが、S字とバックストレートエンドでミスがあった」ため、デュバルは0.144秒差で2位に敗れる。陣営の分析によれば、どちらのタイヤを履いていても、ミスがなければおそらく一貴を上まわるタイムが出ていたという。しかし好事魔多しというべきか、Q1トップ通過が生んだ選択自由度が高次元でのわずかな迷いにつながり、歯車を微妙に軋ませ、惜敗することとなったのである。

今季はこれまではやや苦戦していた一貴が、シーズン初ポールを獲得。「ロイックにプレッシャーをかけることはできたのかな、と思います」という好アタックで、自らの力によって手に入れたポールポジションから、2012年王者は今季初優勝を目指す。

予選3位はオリベイラ。4位には、前戦でも予選2位と健闘した若手気鋭の国本雄資(#39 P.MU/CERUMO・INGING)。5位のアンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S)までがトヨタエンジン勢で、ホンダ最上位は6位の山本尚貴(#16 TEAM 無限)。

決勝レースは明日(4日)、ツインリンクもてぎロードコース52周/約250kmで争われる。

左から予選2位のデュバル、ポールの中嶋一貴、3位のオリベイラ。 デュバル陣営はアタック寸前までタイヤ選択に悩んでいた。 予選3位のオリベイラ。 ホンダ勢最上位の予選6位となった山本尚貴。 小暮卓史は予選8位。 開幕勝者の伊沢拓也は今回予選7位。 松田次生は予選Q1の最終局面でスペシャルステージ進出のトップ8圏内から脱落(9位)。 セルモ・インギングの平手晃平は予選10位。 2連勝中のロッテラーは予選5位。 今年のスーパーフォーミュラでは、バックミラーのステー形状の様々なモディファイが流行中。 もてぎ戦の予選は、この時季にしては「マシな暑さ」のなかで実施された。