ビアンテ グランツ スカイアクティブ《撮影 青山尚暉》

『ビアンテ』は全幅1770mmの余裕あるサイズの8人乗りボックス型にして価格は200万円ちょっとから。実は乗員1人当たりの単価が激安なミニバンでもある。

クラス上の『エスティマ』、『アルファード/ヴェルファイア』同様の2列目席超ロングスライドによるリビングモードをクラスで唯一備え、2列目席乗員の膝回りスペースは70cm前後と広大(5名乗車時)。

しかし、これまでライバルの『セレナ』などとくらべ、販売台数で大きく引き離されていたのも事実。

そんな『ビアンテ』が逆襲に出た。2WD車にスカイアクティブ技術を投入し、『プレマシー』と同じ2リットル直噴ガソリンエンジン=SKYACTIV-G2.0と自社製6速AT=SKYACTIV-DRIVEを新搭載。JC08モード燃費はそれまでの最高12.4km/リットル(50%減税)から一気に14.8km/リットルに向上。同時にクラス唯一の免税車となった。

さらにステアリングシフトスイッチ、スムーズで気持ちいい運転を評価するi-DM、走行安定装置のDSC&TCS、ヒルスタートアシストのHLA、両側パワースライドドアまで標準装備。燃費性能の向上、装備の拡充によって買い得感は一段と高まったというわけだ。

今回のMCで2.3リットルモデルは消滅。ATはついに6速化されている。注目すべきは以前、特別仕様車で好評だった、専用のダイナミックなフロントデザインを採用した「グランツ」SKYACTIVがカタログモデルに加わったこと。セレナでに言えばハイウェイスターに相当する上級上質グレードだ。

そのグランツで走りだせば、パワステは軽く自然で扱いやすく、操縦性は重心の高さを意識した穏やかでゆったり感あるもので、乗り心地は日常域での快適感重視のマイルドさに徹したタッチが好印象。

が、『プレマシー』と同じ2リットルエンジン(151ps)にして車重が160kgほど重く、燃費重視の出力特性もあって、特に出足から2000回転あたりまでの加速はかなりゆったり穏やかだ。

とはいえクルージング状態になれば動力性能は必要十分。ステアリングシフトスイッチは世界トップレベルの変速時間とのことで、さすがにショック皆無でスピードコントロールしやすく、首都高などでの走りやすさは抜群だった。

乗り心地重視の足回りの設定は実はデビュー当時と同じ。タイヤがエコスペシャルな16インチに統一されたこともあり、カーブやレーンチェンジでのロール、姿勢変化は大きめ。もちろん、ステアリングをゆっくり切れば解決する話ではある。

そんな新型ビアンテは大型犬などペットとドライブするにも最高の1台だ。スライドドアからの乗降性は文句なく、後席用エアコンも完備。2列目席は操作性が改善されたアレンジ=横スライド機構によってベンチ、セパレート自在。セパレートにアレンジすれば2-3列目席スルーで犬が3列目席に乗り込むことも可能だ(スルー幅は175mm)。

車内に漂う動物臭が気になりにくくなる消臭天井や、シートの汚れを気にせず直接犬を乗せられるクリーナブルシートも設定されていて使い勝手はもう抜群と言える。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

ビアンテ グランツ スカイアクティブ《撮影 青山尚暉》 ビアンテ グランツ スカイアクティブ《撮影 青山尚暉》 ビアンテ グランツ スカイアクティブ《撮影 青山尚暉》 リビングモード時の後席フロアは広大。《撮影 青山尚暉》 消臭天井。2-3列目席エアコン吹き出し口も完備。《撮影 青山尚暉》 ビアンテ グランツ スカイアクティブ《撮影 青山尚暉》 i-DMも加わったインフォメーション。《撮影 青山尚暉》 SKYACTIV-G 2.0《撮影 青山尚暉》 ビアンテ グランツ スカイアクティブ《撮影 青山尚暉》