新型ワゴンRの衝突軽減ブレーキは、ワイパーで水滴を除去できるため、雨天時でも動作できるのがメリット

レーザーレーダーの取り付け位置の関係で、ぶつからずに停止できる速度に違いが出ているダイハツ『ムーヴ』と、スズキ『ワゴンR』。後発で登場したワゴンRがどうしてこの部分で不利となる取り付け位置を選んだのか。実は敢えてそれを選ぶだけの大きな理由があった。

赤外線によるレーダーセンサーの弱点として、降雨などがあるとその影響でレーザーレーダーが拡散し、距離が測りにくくなることにある。そこでムーヴでは、ワイパーが低速以上で作動しているときはこの機能がキャンセルされるようになっている。つまり、ムーヴは基本的に雨天時、衝突軽減ブレーキが使えなくなる。

この状況にワゴンRの開発チームは何とか一石を投じたいと考えた。その結果、採用したのがコンチネンタル製のシステムだった。

このシステムはフロントウィンドウ上部に取り付けることを前提としており、ここだとワイパーによって水滴が除去されるため、結果として天候に左右されずシステムが利用できる。ぶつからずに停止できる速度で、ライバルのムーヴより見劣りしても、敢えてこれを採用した理由はここにあったのだ。

なお、レーザーレーダーにとって、対応が難しいのはガラス全体がのっぺりと濡れてしまった時。最近はフロントウィンドウに撥水処理を施すユーザーが増えているが、スズキ四輪電装設計部の小杉研一氏によれば「この処理はレーザーレーダーにとっても効果は大きい」という。

ワイパーを動かすとシステムがキャンセルされるムーヴでは意味がないが、ワゴンRにとってはフロントウインドウの撥水処理は必須となるのかもしれない。

新型ワゴンRの衝突軽減ブレーキを試乗 ムーブの衝突軽減ブレーキは、バンパーに剥き出して取り付けられているため、雨天時は利用制限が出る ムーブのホームページからの抜粋。ワイパーを低速以上で使う時は動作しないことが記載してある