マクラーレン P1 技術ワークショップのようす

マクラーレンのハイエンドモデルであり、375台が限定生産される予定の『P1』。その技術的な詳細をプレゼンテーションするワークショップが開催された。

会場となったのは、ロンドン近郊のウォーキングにあるMTC=マクラーレン・テクノロジー・センター。ここはF1に象徴されるレースマシンを始め、マクラーレンのエンブレムを掲げるモデルのすべてが生み出される、まさに同社の中枢である。

◆コンセプトとなった“シュリンク・ラップ”とは

マクラーレンが、P1のエンジニアリングでまず強調したのは、エアロダイナミクスの最適化だった。チーフスタイリストである、フランク・ステファンソン以下、マクラーレンのデザインチームは、P1をデザインするにあたり、まず「シュリンク・ラップ」と呼ばれるコンセプトを立案。これは可能なかぎり小さなサイズで機能を包み込むという考え。同時に「バイオ・ミミクリー」、すなわち生体模倣のテクニックを採り入れることで、P1の個性的なスタイルは完成した。

Cd値で0.34という空気抵抗係数とともに、『MP4-12C』よりも小さな前面投影面積を実現することに成功したという、P1のエアロダイナミクスは、もちろん究極的な水準にある。CAD、CFD、そして風洞実験、そのループによってエアロダイナミクスを検証し、さらなる高みへと導いていく開発の手法は、F1マシンのそれとまったく同様のものであり、したがってマクラーレンはここに多くの技術的ノウハウを持つ。F1マシンとは異なり、エアロダイナミクスを追求するうえでのレギュレーション=車両規定の制約がない、ロードカーたるP1では、逆に彼らの技術力がフルに発揮できたともいえる。

◆P1エアロデバイスの焦点はダブルエレメントのアクティブリアウイング

P1には、さまざまな可変式のエアロデバイスが採用されているが、その中でも特に注目されるのは、ダブルエレメントのアクティブリアウイングだろう。

リアウイングは通常はリアデッキ内に収納されており、必要時にのみライズアップする仕組み。ドライバーが走行モードで「レース」を選択した場合には、それは300mm上昇し、さらにウイング面も最大29度立ち上がる。

ダブルエレメント、すなわちデュアルウイングを採用した最大の理由は、それにDRS=ドラッグ・リダクション・システムの機能が与えられているため。ステアリングホイール上のDRSスイッチをプッシュすると、一時的にドラッグ=ダウンフォースが低減され、最高速域でもさらに効率的な加速を実現することが可能になる。これもまたF1発祥のテクニックだ。

フロントにも、アクティブフラップを装備するP1は、最大で600kgものダウンフォースを発生させる。そのほとんどは、アンダーボディーと路面とのクリアランスで形成されるヴェンチュリートンネルによって得られる。したがって最低地上高が50mmとなる「レース」モードで、その効果は最大限に発揮されるということになる。ヴェンチュリートンネルにとって重要なポイントは、路面とのクリアランスをいかに小さく設定し、またそれを不変とするかにある。

フロントカウルには、ラジエーター冷却の役割を果たしたエアを排出するためのアウトレットが設けられているが、ここからのホットエアは、ルーフの吸気用シュノーケルには導かれない。ボディーの中心線上を流れてきたフレッシュエアのみがシュノーケルにコレクトされる仕組みだ。P1には、機能のないデザインなど存在しないのだ。

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