ケビン・シュワンツ《撮影 北島友和》

今年の鈴鹿8耐に出場するケビン・シュワンツ。ここからは少し思い出話を語っていただこう。世界GPでのシュワンツの走りは、今も鮮烈に記憶されている。シュワンツ自身、世界GPで最も思い出深いレースは何なのだろうか。

「やっぱり初優勝した88年の日本GPですね。この年から世界GPに本格参戦することになって、その初戦で優勝出来たことは、今でも忘れられません。それと94年のドニントンパークも忘れられないレースです。イギリスのドニントンパークと並んで、鈴鹿は好きなトラック。

でも私の中で最高のレースは91年の日本GPです。この年は事前のテストで思わしい結果が出ていなくて、ボロボロの状態でシーズンに臨みました。しかし鈴鹿ではスタートから前に飛び出せたんです。中盤でペースが落ちてしまったものの、残り2周で5台のバトルになり、私は5位から逆転優勝を決めることが出来たんです」。

88年の日本GPは、話題の新人だったシュワンツがフル参戦の初戦でいきなり優勝したことから、非常にセンセーショナルだった思い出がある。94年のイギリスGPは、得意とするドニントンパークで、左手首を負傷していたにも関わらず、その年から5年連続チャンピオンとなるマイケル・ドゥーハンを相手に、一歩も引かない競り合いを見せ、現役最後の優勝を収めたレースだった。

それにしても鈴鹿サーキットは低速コーナーから高速コーナーまで幅広いスピードレンジのコーナーが組み込まれ、S字コーナーや逆バンク、スプーンなど攻略が難しいコーナーもある。

この難しいサーキットが好きな理由とは何か? どうして鈴鹿サーキットが好きなのだろう。

「確かに鈴鹿はバラエティに富んだレイアウトですよね。それも魅力ですが、ストレートが長すぎない、という点もいいと思っています。3から7コーナーは1つのシーケンス、つまり流れに乗って走り抜けることが大事ですし、シケインのハードブレーキングも勝負どころと言えます。こうしたレイアウトの良さに加えて、応援してくれるファンの雰囲気も最高でした」。

そんな挑み甲斐のあるコースを果敢に攻めるシュワンツの姿にファンも魅了されたものだ。

今回の鈴鹿8耐もチームカガヤマのV2(加賀山/芳賀の両選手は優勝経験あるため)を応援する特別席が設けられたが、すでにチケットは完売という人気ぶりだ。スーパーバイク界の人気日本人レーサーと、伝説のGPライダー、シュワンツの組み合わせなら、それも当然か。今年の8耐はいつも以上に盛り上がりそうだ。

ケビン・シュワンツ《撮影 北島友和》 1992年鈴鹿8耐でのシュワンツの走り チームカガヤマ JSB1000マシン(8耐参戦車両と同タイプ)