スバル・レガシィ初代

なぜ期待されていなかったのか……。年末年始の読み物「意外なヒット」シリーズ。名前を聞けば誰もが知っているヒット作ながら、当初はそれほどの期待をされていなかったモデルを紹介しています。スバルの予想外ヒット車種として『レガシィ』があります。

レガシィと言えば、今でこそ名前が示す通り「後世に受け継がれてゆくもの」「遺産」として、現行型で6世代目となる大ヒット車種と広く認知されていますが、初代が発売された当初は今日の成功を誰も予想していませんでした。

レガシィが広く世に認知されるまでスバルの主力車種と言えば『レオーネ』であり、他メーカーに比べて垢抜けない雪国のおじさん車という印象を持たれていました。

そして当時のスバルの置かれていた状況は、バブル経済真っただ中だったにも関わらず、好景気とは程遠いものでした。好調だったアメリカ輸出への過度の依存により国内市場からは見放され、連日新聞紙面で他社による買収や吸収合併、倒産の危機が報道されるほどの厳しいものでした。

そんな中で久々に投入された新型車種であるレガシィは、主力車種の世代交代という冒険をしてまでレオーネの後継車にするわけにはいきませんでした。一定の評価を得てある程度の販売台数があったレオーネを捨て去ることはできず、レガシィを少し大型の上級セダンとして併売する戦略をとらざるをえませんでした。

当初はレオーネが世代交代するまでの中継ぎの意味も込めて発売されたレガシィでしたが、発売当初の1989年は折しもバブル経済の真っただ中、これまでより高級な大型車両の需要は高まりつつありました。同年10月にはワゴンに高出力なターボエンジンを搭載し、これまで実用一辺倒だったバン(ワゴン)の世界に「ツーリングワゴン」という新たなジャンルを生み出すことに成功します。

さらにはモータースポーツへの積極的な参戦によりスポーティなイメージはより強固なものとなります。レガシィといえばワゴン、高級スポーティワゴンといえばレガシィとして、これまでの雪国のレオーネ支持層以外の新たな顧客層を獲得することにも成功しました。

このレガシィの予想を裏切る大成功によりスバルは見事に持ち直し、その後レオーネは、『インプレッサ』によって世代交代を果たします。この時はすでにスバルの主力旗艦車種は、すっかりレガシィに取って代わっていました。

その後は広く知られているとおり、スバルの看板車種の座を27年間一度も明け渡すことなく、2014年には6世代目へと進化を果たしました。6代目ではツーリングワゴンが後継車種の『レヴォーグ』に継承され、セダンの「B4」とクロスオーバーSUVの「アウトバック」の2タイプによる展開となりました。これから先もレガシィのスピリットは後世まで引き継がれていくことでしょう。

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