メルセデスベンツ SLS AMG《撮影 島崎七生人》

AMG専用モデルとして開発された『SLS AMG』。先ごろ最高出力をさらに高めたSLS AMG GTを登場させ、バリエーションの拡充を図ったばかりだ。

そんなSLS AMGのベース車に試乗する機会を得た。低く幅広い実車はもちろん圧倒的な存在感があるが、空力的付加物など、いかにもといった目障りになるディテールがないのが好ましい。公道試乗では未確認だが、リヤスポイラーは然るべき速度でせり上がる電動格納式だ。

とはいえ『300SL』譲りのガルウイングドアは、いやおうなしにSLSの特別感を表わす。確かにサイドシルは幅広だが乗降性はいい。コクピットは上質な仕立てで、デザイン、操作性も、他のメルセデスに慣れているユーザーなら違和感なく入っていけるはずだ。

571ps/66.3kg-mのスペックをもつ6.2リットルV8エンジンは、一般道を走らせる範囲では、もてる性能の片鱗を垣間見られる…そんな程度だ。けれど本領発揮以前の領域でも、決して気難しさ、扱いにくさは実感しない。もちろんエンジン回転を高めれば、腹に響く乾いた中にも粘り気のある独特の排気音を聞かせながら、AMGらしい緻密な回転フィールを味わわせてくれる。7速ツインクラッチの制御も洗練されている。

試乗車はオプションの「AMGライドコントロールスポーツサスペンション」を装着していたが、乗り味も硬質だが決して粗削りではない。強いていえば、まるでレーシングカーのように路面の小石がボディ下面に当たる音が聞こえるのが独特か。フレーム構造とボディの96%がアルミ製で1710kgの重量に抑えられたボディによって、心理的にも運動性能的にも、奥深いであろうけれど、想像するより軽やかな身のこなしをみせてくれる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

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