N-ONEツアラー。2トーンルーフがオシャレだ。《撮影 青山尚暉》

軽自動車にしてツアラー性能にこだわった『N-ONE』の真打ちは間違いなくターボモデルのツアラーだ。

ターボモデルにアイドリングストップが付かないのは残念だが、それでもJC08モード燃費23.2km/リットル。横浜周辺の市街地30%、首都高70%走行時の実燃費18.0km/リットルを確認しているのだから燃費性能は優秀だ。

ちなみにN-ONEのターボはハイパワーバージョンではなく、1.3リットルクラスからの「ダウンサイジング過給」の位置づけ。開発陣によると走りはフィット1.3G並み。そしてそれを上回る23.2km/リットルの燃費性能を実現している。ターボモデルをツアラーと呼ぶのは長距離性能にこだわったからである。

ツアラーには14/15インチタイヤ装着車がそろうが、15インチタイヤ装着車は安全装備を含むフル装備でパドルシフトまでおごられ、ショーワ製ダンパー、バネも専用。が、乗り心地は硬く、路面によってはヒョコヒョコした上下動が気になる。実はその15インチタイヤは一世代前のもので、基本的な操縦性、安定感は14インチタイヤ装着車と同等。ステアしたときに「クッ」と入る15インチ、「スーッ」と入る14インチ…の違いがほとんどになる。

そんなツアラーを走らせると、出足から3気筒感はほぼなく、1.3リットルのフィットに近いエンジンフィールを持ち合わせる。ターボは2000回転付近からシームレスに効き、アクセルペダルがターボのスイッチ的な多くのとんがり軽ターボとは一線を画す。あくまでも伸びやかでトルク感あるリニアな加速感を披露してくれるのだ。絶対的動力性能も日常域ならこれまたフィットの1.3リットルに近いものがある。

で、お薦めはツアラーの14インチ装着車。パワステのしっかりした操舵(そうだ)フィール、安定感、乗り心地ともに軽自動車最上級、どころか日常域の加速性能、直進わだち性能、カーブでの安定感、高速走行時の安心感、80km/hまでの静粛性はフィット13G並み。それの2トーンカラーなら、佇(たたず)まいはがぜん華やか。ファッション性も高まる。

ナビを装着するときには注意が必要だ。ホンダ純正のナビアプリ「インターナビポケット」とスマホ接続で連携できるディスプレィオーディオ選択時と、ホンダ純正などのナビ装着時ではインパネデザイン、見映え、インパネトレイの面積、ナビ画面までの距離まで大きく違うからである。

そうそう、N-ONEはセダンタイプの軽自動車としてはペットフレンドリー度も抜群だ。犬を乗せる場合は後席になるが、サイドシル段差のないフラットフロアだから乗降性抜群で、とにかく広い。しかもフィット譲りのセンタータンクレイアウトによって後席を格納すると地上高600mmのフラットフロアが出現。大型犬でもゆったりくつろげるスペースがある。

今、N BOXが絶好調だが、このN-ONEも それに続くヒット作となることは間違いなし。日本の街並みをセンスよく賑(にぎ)わしてくれることだろう。軽自動車にアレルギーを持っていた人も納得の出来である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

15インチタイヤの乗り心地は硬め。《撮影 青山尚暉》 1眼メーター。《撮影 青山尚暉》 ホンダ・N-ONE《撮影 青山尚暉》 ディスプレィオーディオ選択時《撮影 青山尚暉》 一般的なナビ装着時《撮影 青山尚暉》 後席は5:5分割。ペットを横に乗せられる。《撮影 青山尚暉》