ホンダ・N-ONE《撮影 青山尚暉》

Nシリーズの第三弾として登場したのが、1967年にホンダ初の軽自動車として登場し、60年代東京のファッションリーダーだった銀座・みゆき族にも愛された『N360』の直系といえるヘリテージカー、『N-ONE』だ。

N360に思い出ある人にはもちろん、ズバリ、黄色いナンバーにアレルギーを持つ人にも刺さる革新的軽自動車である。実際、開発キーワードは「軽自動車を許せない人の壁を破る」「しみじみしない軽」「軽自動車がフィットに負けている部分を解消する」「ツアラー性能を極める」「安全性能をケチらない」…と、志は極めて高い。

エクステリアデザインは顔にN360の名残があり、シンプルかつ極めて現代的に洗練されたもの。ボディーカラーは全11色。さらに手塗りルーフの粋な2トーンカラーが5タイプも用意されている。しかもインテリアがまたいい。デザイナーいわく、ハイライトはインパネ。すっきりしたセンスあるデザイン、色使いは秀逸だ。アクセサリーで顔の表情を変えられるのも楽しい。

後席の広さも圧巻だ。身長172cmの筆者のドラポジ基準の実測で頭上方向に約145mm、膝回りにフィットの約210mmを凌ぐ約250mmもの余裕があるほどだ。

エンジンはNAとターボ(ツアラー)の2種。NAはアイドリングストップ付きでクラス最上級の27.0km/リットルを誇る。

ところで、グレードを選ぶ際、注意したいのは、走りに大きくかかわる機能部品の違い。N-ONEらしいのはもちろんターボモデルのツアラーだが、NAを選択する場合、もっともベーシックなGのみ走りに大きくかかわるフロントスタビライザーが非装着という点だ。

結論から言えば、フロントスタビライザーなしだと走りはフツーの軽レベル。一転、スタビライザー装着車なら走りの質感、安定感はけた違いに高まる。なにしろ開発の基準車はNAの14インチタイヤ&フロントスタビライザー付きのG Lパッケージなのだから。

G Lパッケージの走りは20km/hも出れば3気筒っぽさは感じらないものの、絶対的動力性能は街乗りベストのイメージ。パワステはフロントスタビライザーなしのGだと軽すぎるほど軽くしっかり感、安心感に欠けるけれど、G Lパッケージになれば中立付近からのしっかり感、直進感が増すとともに、文句なしに快適かつ上質な乗り心地を味合わせてくれる。

段差を乗り越えても多くの軽自動車にありがちなボコボコした低級音、ショックとは無縁で、室内に侵入するエンジン透過音も軽微。80km/h巡行(エンジン回転数約2500回転)で耳に届くのはエコスペシャルタイヤによるロードノイズと風切り音がほとんど。つまり素晴らしく静かだ。

動力性能より燃費や価格優先、街乗り中心…とはいえ、たまには中距離、高速道路も走る、というなら迷うことなくフロントスタビライザー付きのG Lパッケージを薦める。広々した後席部分に大型犬などのペットを乗せることも可能だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

ホンダ・N-ONE《撮影 青山尚暉》 ホンダ・N-ONE《撮影 青山尚暉》 ホンダ・N-ONE《撮影 青山尚暉》 ホンダ・N-ONE《撮影 青山尚暉》 後席は5:5分割《撮影 青山尚暉》 床下収納《撮影 青山尚暉》 ホンダ・N-ONE《撮影 青山尚暉》 アクセサリーのフロントパネル《撮影 青山尚暉》