気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2012年12月21日付

●日銀物価目標2%検討、白川総裁「安倍氏要請踏まえ」(読売・1面)

●ダイハツ新ムーヴ「軽」初の衝突回避、低価格・高性能各社競う(読売・10面)

●「2ちゃんねる」創設者警視庁が書類送検、違法情報放置した疑い(朝日・1面)

●「失敗の真因追及は責務」三菱自問題に自工会長(朝日・11面)

●神奈川の企業課税、無効か、いすゞとの訴訟、最高裁が弁論か(朝日・38面)

●来年春闘、定昇見直しに言及、経団連が交渉指針(毎日・2面)

●中国ネット書き込み1位は、尖閣・反日デモ(毎日・6面)

●心の病40代最多に、上場220社調査、66%「本人に原因」(東京・3面)

●日航9年ぶり新制服、来年導入「鶴丸」マークも(東京・7面)

●ヘリ官製談合、陸自2佐2人を略式起訴(東京・30面)

●喫茶店に車、客1人死亡、西東京、80歳男性、運転ミスか(日経・39面)


ひとくちコメント

総選挙で圧勝した自民党の安倍晋三総裁の要請を踏まえて、日本銀行が物価上昇率2%のインフレ目標の導入を検討する考えを明らかにした。白川方明総裁が金融政策決定会合後の記者会見で発言したもので、日銀総裁が、政治家の意向を踏まえた金融政策の検討を明言するのは異例である。

また、日銀は、資産買い入れ基金を10兆円積み増し、基金の規模を計101兆円とする追加緩和を全員一致で決定した。きょうの読売、毎日、日経が1面トップ,他紙も1面や経済面、社説などで詳しく取り上げている。ただ、物価目標はデフレからの脱却を促す“特効薬”と位置付けられる半面、企業収益の増加や賃金上昇が伴わなければ景気への悪影響も懸念される。

こうした中、経団連が2013年の春闘に向けて経営側の交渉指針を示す「経営労働政策委員会(経労委)報告」の最終案を了承。きょうの産経などが報じているが、円高や電力不足など経営環境の悪化を理由にベースアップ(ベア)を「協議の余地はない」とし、定期昇給(定昇)も「聖域にすべきではない」と実質的な賃下げも辞さない姿勢を表明。今後の景気回復に水を差す恐れもあるとの見方もある。

その最悪のシナリオについては、毎日が「物価上昇だけを目指すのは危うさもつきまとう。中国や韓国の企業との価格競争が激化する中、日本企業が人件費を抑制する傾向は続いている。日銀がお金を潤沢に供給して実際に物価が上がっても、賃金が上がる保証はない」と指摘。

さらに、「家電品などの価格が下落する中、日銀が物価全体を2%上げようとすると、『食料品など生活必需品が2ケタの勢いで上昇しないと目標達成できない』(クレディ・スイス証券の白川浩道氏)。その分、家計は苦しくなる。家電や自動車の購入は後回しになり、企業業績が悪化して賃金上昇どころかリストラが強まるリスクもある」と伝えている。

劇薬は口に苦しとはいうものの、トヨタ自動車の豊田章男社長が再三再四訴える「一生懸命努力した人が報われる社会」になるには、まだまだ乗り越えなければならない高いハードルがありそうだ。