バーチャルパートナーはこのように表示される。同様の機能はGARMIN製品に幅広く採用されているのだが、表示ノリアルさは本機が一番だ。

◆アラート機能でトレーニング効率アップ

実際に使ってみてまず感じるのは、表示の見やすさだ。低価格でコンパクトなサイコンは表示部分が小さく、走りながらだと数値が読み取りにくいが本機の液晶は大きくて見やすい。タッチスクリーンによる操作も快適で、トレーニング中も積極的に操作をしたくなる。操作性の悪いサイコンは走りだすと触る気がしなくなるが、本機はいろいろな機能を使いこなそうという気になるのだ。

タッチスクリーンについては少し説明が必要で、慣れるまでは使いにくいように感じた。筆者は軽く触れるだけで操作できるスマートフォンの静電容量式タッチスクリーンに慣れてるため。本機の感圧式タッチスクリーンは反応が非常に鈍いように感じたのだ。

しかし、慣れると評価は一転する。しっかりと押す必要がある感圧式は走行中に操作するには最適なのだ。スマートフォンを自転車に固定しても走行中に操作するのはまず無理だが、本機なら快適。さらに、感圧式にはグローブを着けていても操作ができるというメリットもある。

走行中に便利だと感じる機能は、なんといっても各種のアラート機能だ。筆者は体力維持とダイエットのために自転車でトレーニングしているが、自転車は膝を傷めないとか効率的に運動できるといったメリットがある反面、運動強度の管理が難しい。つまり、頑張りすぎて有酸素運動の範囲を超えた過度な運動になってしまったり、気を抜くと運動にならないほど楽をしてしまったりということになりやすいのだ。

そこで、あらかじめアラート機能を設定。心拍数が一定の範囲より高くても低くてもアラームが鳴るようにする。筆者の場合、効果的な有酸素運動をするには心拍数を120〜150くらいの間にしておくことが望ましい。特に避けたいのは高い方にずれることで、無酸素運動になってしまうので苦しいだけで脂肪は燃焼せず、さらに度を越せば心臓に負担がかかって危険でさえある。ジョギングならそこまで心拍を上げてしまうことはまず無いが、自転車だと簡単に上がってしまうので注意が必要だ。

アラート機能を設定しておけば、指定した範囲から心拍数が外れるとすぐにアラームがなる。これは便利というより非常にありがたい助けになる。もうこの機能なしで運動をするのは不安になるほどだ。

アラートにはほかにもカロリーアラート、時間アラートなどがあるが、ペダリングの技術を上げたい人にとって役に立つのはケイデンスアラートだ。自転車では速度が変化してもケイデンスは一定に保つべきであり、そのために変速機能がある。しかし、初心者にとってはケイデンスを一定に保つのはかなり難しい。そこでアラート機能を設定しておき、加速時にアラームが聞こえたらシフトアップ、減速時に聞こえたらシフトダウンという操作をすると、だれでも簡単にケイデンスを一定にすることができる。


◆バーチャルパートナーでモチベーションアップ

本機にはほかにも様々な機能がある。本格的にトレーニングをしたい人なら、「ワークアウト」機能を使いこなしたい。これはあらかじめトレーニングの内容をプログラムしておける機能。例えば一定の距離を走るごとに休憩を入れるといった内容をプログラムしておけば、実際に走るときは設定した距離に到達したり、休憩が終わるごとにアラームで知らせてくれる。ワークアウトは本機で作成することもできるが、より複雑なトレーニングをするならパソコンで作成して転送することも可能だ。

バーチャルパートナー機能も非常に有効だ。これは設定したペースで走る仮想の搬送車を画面上に表示する機能。競争しているような気分になり、モチベーションアップに役立つ。ほとんどの人は毎日のトレーニングを1人でやらなければならないが、長く続けているとどうしてもモチベーションが下がって、辛さに負けてしまいそうになるものだ。そういった場合は自己ベストのタイムを縮めていくことがモチベーションアップにつながる。自己ベストを更新できるペースのバーチャルパートナーを設定しておき、競争して勝てば自動的に自己ベスト更新となる。


◆トレーニング管理だけでなくSNS的な楽しみもできるGARMIN Connetct

サイコンだけでなくジョギング用のウォッチも数多く発売しているGARMINでは、ユーザーのためにGARMIN ConnectというWebサービスを運営している。誰でも利用でき、もちろん無料だ。

トレーニングが終わったら本機をパソコンに接続し、GARMIN Connectにログインするとトレーニングデータをアップロードすることができる。あらかじめブラウザにプラグインをインストールしておく必要があるが、その操作はごく簡単だ。アップロードしたデータは地図やグラフで表示することができ、自分の実力や弱点などを分析することができる。サイクリングのデータなら単に思い出として眺めてもいい。

長期的にデータを保存していけば、自分の実力アップを数値で確認することもできる。こうしたデータは写真と同じようにかけがえのない大切なものだが、Web上に保存しておけばパソコンの故障で消えてしまう心配もない。また、データはGoogleアースで表示できる形式でエクスポートしてパソコンに保存したり、Googleマップに自分の走行ルートを表示させたものを、自分のブログに貼り付けるといったことも可能だ。

GARMINコネクトにはSNS的な機能もある。ほかの会員の走ったコースなどの走行データを検索し、参照することができるのだ。自宅の近くによさそうなコースが見つかったら、それを本機にダウンロードしてそのとおりに走ることもできる。本機のナビゲーション機能を不要なものと思う人がいるかもしれないが、走ったことのないコースを案内してくれるという非常に魅力的な機能を実現してくれるのだ。

もちろん、自分の走行データを公開することも可能。GARMINコネクトの会員同士なら、友だちとデータを見せ合ったりすることもできる。GARMINコネクトは数年前からサービスが行われているが、当初は日本語版へのローカライズが徹底されておらず、使いにくい面が多々あった。しかし、何度かの改善で今では非常に使いやすくなり、機能も強化されている。なにより、会員数が増えたおかげで数多くの走行データが見つかるようになった。非常に利用価値の高いサービスに成長したといえる。

本体はサイコンとしては大きめ。自転車のハンドルに取り付けても違和感のないギリギリの大きさといったところだ。《撮影 山田正昭》 心拍アラートを設定しておくと、このような表示とアラーム音で心拍の高すぎ、低過ぎを教えてくれる。 アラート機能の設定画面。さまざまなアラートを設定できるが、よく使うのは心拍とケイデンスだろう。 心拍数の上限、下限は「ゾーン」で指定する。ゾーンは5段階あり、年齢などのデータから自動的に算出される。 ワークアウトの一例。5分毎に心拍数を上げてウォームアップができるようになっている。 アップロードしたデータはこのように表示される。詳細なデータで自分の走りを分析することができる。 走行データのグラフも表示される。スピードが落ち込んでいる部分は信号待ちなどだが、停止すると記録が自動的に中断されるためグラフでは一瞬しか止まっていないように見える。 ほかの会員のデータを検索したところ。少ないように見えるのは、左のリストの1ページ分だけしか地図に表示しないため。リストは10ページ異常あるので実際には10倍以上のデータがある。 他の会員のデータを本機にダウンロードして、ナビゲーションさせて走ることができる。 GARMINコネクトには「ゴール」という機能もあり、例えば毎月10000カロリー消費するといった目標を立てることができる。 GARMIN Edge 800J《撮影 山田正昭》