GARMIN Edge 800J《撮影 山田正昭》

自転車ブームが続くなか、手軽な通勤やポタリングからより本格的なロードバイクへとステップアップする人も増えている。そこでぜひとも欲しくなるのがサイコン(サイクルコンピューター)だ。全てのサイコンの中でも最高峰モデルのひとつである「Edge800J」を紹介しよう。


◆トレーニングでもサイクリングでもサイコンは今や必需品

ロードバイクやクロスバイクなど、速度の出る自転車に初めて乗った人が必ず思うこと。それは「スピードはどれくらい出てるんだろう」という疑問ではないだろうか。あるいは「今日はどれくらいの距離を走ったんだろう」というのも誰もが考えることだ。単純に言えば、サイコンはこうした疑問に答えるためのアイテム。難しそうなイメージとは裏腹に分かりやすく、しかも自転車に乗る楽しさを倍増させてくれるものだ。

今や、ロードバイクではサイコンは当たり前に装備するものとして認識されているし、クロスバイクでも愛用している人は多い。自転車に乗る目的はいろいろあるが、競技としてのトレーニング、体力向上や健康維持のためのフィットネス、あるいは長距離のサイクリングではサイコンの果たしてくれる役割は絶大で、必需品と言って差し支えない。

ここまで言い切れるのは、サイコン自体が前述のような単純な機能から飛躍的な進歩を遂げたからでもある。速度と走行距離だけのサイコンが通話機能だけの携帯電話だとすれば、最新のサイコンはスマートフォンのようなもの。その多機能ぶりには圧倒される。

今回紹介するGARMINの『Edge 800J』はそんな最新のサイコンの中でももっとも多機能、かつ高性能なモデルのひとつだ。無理やり一言で説明すると、サイコンとカーナビとフィットネスウォッチをコンパクトなボディに凝縮したモデルといえる。


◆自転車、自分、GPSのデータを測定しさまざまなデータを算出

サイコンはさまざまなデータをセンサーで計測し、それを表示、記録する一種の測定器だ。本機の場合、測定するデータは自転車のホイールの回転数、ペダルの回転数(ケイデンス)、人間の心拍数、気温、高度(気圧高度計)、それにGPSの位置情報だ。これだけでもかなりのデータ量になるが、本機は各データを組み合わせてさらにさまざまなデータを算出し、わかりやすく表示、記録してくれる。

表示、記録できるデータは速度、走行距離、経過時間、ケイデンス、心拍数、現在地、気温、高度などなど。さらに、さまざまなデータから算出した消費カロリー、指定した区間のラップタイム、走行したルート、高度の上昇、下降率も表示、記録できる。さらにさらに、目的地を検索してルートガイドをさせることも可能だ。自転車のトレーニングに関連するデータは網羅されているといっていいだろう。加えて、ANT+規格対応製品であれば、パワーメーターや体重計を接続し、そのデータを表示、記録することもできる。

前述の説明でEdge 800Jは「サイコンとカーナビとフィットネスウォッチを凝縮」と紹介した。速度や走行距離、ケイデンスなどがサイコンとしての機能、心拍数や消費カロリーがフィットネスウォッチとしての機能、現在位置や走行ルートの保存、ルートガイドがカーナビとしての機能だ。いかに多機能か、少しはイメージしていただけただろうか。


◆付属のセンサーを自転車に装着、各センサーの接続を確認

サイコンを使用するには自転車への取り付けが必要だ。本機の場合、各センサーと本体との接続は全てANT+規格によるワイヤレス接続なので、本体の取り付けは非常に簡単。付属のマウントをゴムバンドなどでハンドルかステムに固定するだけでいい。

センサーはスピードセンサー(ホイールの回転数を検出)とケイデンスセンサーを一体化したものが付属している。このセンサーはチェーンステーにタイラップで固定し、ホイールのスポーク、ペダルのクランクそれぞれに磁石を固定する。取り付けは簡単だが、センサーと磁石の位置調整はかなりシビアなので、しっかりと取り付け、確実に検出できるかチェックしておく必要がある。

スピード/ケイデンスセンサーはバッテリーを内蔵しているがANT+規格は消費電力が非常に小さいので、バッテリーライフを気にする必要はほとんどない。また、センサー本体にボタンがひとつ装備されており、これを長押しするとホイール、クランクの磁石を検出した時にボタンが光る。つまり、Edge 800J本体を使わずにセンサーだけで磁石の位置調整ができるようになっているのだ。

一方、人間の心拍数は胸に装着するベルト型のハートレートセンサーが付属している。こちらもバッテリー内臓だがやはりバッテリーライフを気にする必要はなく、スイッチなども一切ない。装着すれば自動的に電源が入る仕組みだ。このセンサーは当然ながら走り出す前に装着し、終わったら外す。実はこれが本機を使っていくうえで唯一、面倒と思われる事なのだが、ハートレートセンサーは他メーカーでもほぼこのタイプしか無いので、やむを得ない。全ての取り付けができたら本体でセンサーが認識されているか確認して取り付けは完了だ。

使い始める前の準備としてはほかに本体の初期設定があるが、こちらは簡単だ。入力するのは自分の年令や体重、自転車の重量など。年齢は関係無いように思えるが、年齢から最大心拍数を計算してくれるようになっている。最大心拍数はトレーニング時の心拍数アラートの元になる数値として活用される。また、ホイールの直径を入力する項目もあるのだが、これは自動にしておいて走行すれば、GPSのデータから自動的に算出してくれる。


◆電源を入れたらあとは走りだすだけ、タッチスクリーンで操作も簡単

Edge 800J本体は幅51×高さ93×厚み25mmというサイクルコンピュータとしてはやや大振りなサイズで、38×56mmのカラーディスプレイを搭載する。ただし重量は98グラムと軽く、自転車の軽量さをスポイルしないように配慮されている。電源にはリチウムバッテリーを搭載し、約15時間の駆動が可能。丸一日走り続けるようなハードなツーリングでもバッテリー切れになることはない。また、当然ながらボディは防水仕様だ。

この本体を自転車に固定し、電源を入れたらあとは走りだすだけだ。本体に「START/STOP」ボタンがあるが、移動を検知すれば自動的にタイマーがスタートするのであえて操作する必要はない。また、走行を開始してからも停止すれば自動的に記録が中断する。もちろんこれは設定によって変更できるし、記録を中断する速度を任意に設定することも可能だ。

走行を開始するとディスプレイにはさまざまなデータがリアルタイムに表示される。表示内容はタイマーページ、地図ページ、バーチャルパートナーページ、高度ページ、ラップデータページがあり、ディスプレイをタッチして切り替えられる。タイマーページは速度や距離を表示するページだが、その表示内容は自由自在にカスタム可能だ。1画面に表示するデータ数を3〜10まで設定でき、さらにタイマーページを複数作ることもできる。

表示できるデータも非常に多彩で、速度、距離、経過時間、心拍、気温などは当然として、バッテリー残量、日の入り時刻、進行方位なども表示できる。また、心拍にしてもリアルタイムな心拍数だけでなく、「平均心拍」「最大平均心拍%」「ラップ最大心拍%」などなど、様々な形式で表示することが可能だ。

本体はサイコンとしては大きめ。自転車のハンドルに取り付けても違和感のないギリギリの大きさといったところだ。《撮影 山田正昭》 裏面はラバーのような質感の樹脂で覆われており、中央にマウントに取り付けるための突起がある。《撮影 山田正昭》 ゴム製の防水カバーをめくり上げるとマイクロSDカードスロットとUSB端子がある。USB端子は最近多いマイクロBプラグではなく、ミニBプラグなのでケーブルの流用には注意が必要だ。《撮影 山田正昭》 本体左側面に電源ボタンがある。適度な硬さのあるボタンで、ふい触れても電源が切れてしまうことはない。《撮影 山田正昭》 ベゼル部分はカーボン素材に見える模様が施されており、高級感が高い。《撮影 山田正昭》 自転車に取り付けるスピード/ケイデンスセンサーと2つの磁石。《撮影 山田正昭》 センサーはチェーンステーにタイラップで固定。まずこの様に仮付けする。《撮影 山田正昭》 スポークに磁石を固定し、位置を調整する。《撮影 山田正昭》 続いてクランクに磁石を固定し、位置を調整。筆者の自転車ではこのように木片を使って磁石の位置をセンサーに近づける必要があった。《撮影 山田正昭》 この白いボタンを長押しすると、磁石を検出するたびに緑色に光る。2つの磁石を確実に検出できるように位置を調整する。《撮影 山田正昭》 Edge800J本体はこのようにマウントをゴムバンドで固定しておき、そこに取り付ける。非常に簡単だ。《撮影 山田正昭》 ハートレートセンサーはこのようなもの。裏面にビニール状のフ電極があり肌に直接触れることで鼓動を感知する。《撮影 山田正昭》 本体の電源を入れ、ペダルを空回りさせるなどするとこのようにセンサーが検出され、ワイヤレス接続される。《撮影 山田正昭》 タイマーページの一例。このように8個のデータを同時に表示してもさほど無理がない。大画面の恩恵だ。《撮影 山田正昭》 地図ページ。さすがに地図は見やすいとはいえないものの、実用には十分なレベルを確保している。《撮影 山田正昭》 高度ページ。自転車では勾配が非常に重要であることは言うまでもないだろう。《撮影 山田正昭》 ラップページ。ラップは5キロごと、10キロごとなど任意に設定できるほか、周回路なら登録した地点を追加するたびにラップを切るといったことも可能だ。《撮影 山田正昭》