2012年6月、京都府京都市伏見区内で脱法ハーブ摂取後にクルマを運転し、3人が負傷する事故を起こしたとして、危険運転致傷罪に問われた34歳の男に対する判決公判が12月6日、京都地裁で開かれた。裁判所は懲役1年10か月の実刑を命じている。脱法ハーブ吸引後の車両運転を原因とした死傷事故で危険運転罪の適用を認めた判決は今回が全国初。

問題の事故は2012年6月9日の午後1時35分ごろ発生している。京都市伏見区横大路千両松町付近の国道1号で、第2車線を走行していた軽乗用車に対し、後ろから進行してきた軽トラックが追突。軽乗用車は停止するために第1車線に車線変更したところ、軽トラックは再び追突。バックした際に後ろから来たトラックに接触し、さらに中央分離帯に衝突して停止した。この事故で軽乗用車の乗員3人が打撲などの軽傷を負っている。

軽トラックを運転していた中京区内に在住する男は事故直後は酩酊状態だったものの、その後は過度の興奮状態に陥り、意味不明の言動を繰り返したことから、警察では「薬物摂取の可能性が高い」と判断。車両の捜索などを行っていた。

この結果、車内から脱法ハーブとみられる植物片を発見。後の調べに対して「運転前にハーブを吸引してボーッとしていた」などと供述したことから、警察では薬物摂取による酩酊が原因で事故を起こしたとして、6月11日までに自動車運転過失傷害容疑で逮捕。検察は「薬物影響で正常な運転ができる状態ではなかった」として、危険運転致傷罪で起訴していた。

これまでの公判で、被告は事故を起こしたことは認めたものの、「運転が困難な状況ではなかった」と主張。危険運転罪には当たらないとして無罪を主張してきたが、検察は被告の元交際相手を証人として出廷させ、被告が「給油中に体が硬直して動かなくなった」、「効きすぎて危ないと運転を止めたことがあった」などと発言していたことを明らかにするとともに、4年前から脱法ハーブを摂取していたことも明らかにした。

6日に行われた判決公判で京都地裁の樋口裕晃裁判長は、「被告は日常的に脱法ハーブを使用していた」と認定した。

その上で裁判長は「脱法ハーブの影響で意識障害を起こすことを被告が認識していたのは明らかである」として危険運転罪の適用を認め、被告に対して懲役1年10か月の実刑判決を言い渡している。