トヨタ自動車 安全技術説明会のようす

トヨタ自動車が11月に発表した、アクセル踏み間違いによる衝突事故の被害を軽減するという安全システム。間もなく発表される高級セダン、次期『クラウン』に搭載されるとみられるこのシステムを実装した試作車に試乗してみた。

最初に試したのは「ドライブ スタート コントロール」と名付けられた機能。バック中にうっかりポールや壁に接触してしまった際、パニックを起こしてブレーキとアクセルを踏み間違えたままATセレクタを「R(後進)」レンジから「D(ドライブ)」レンジに入れるといった、相当にカオスな状況に置かれても、急発進から衝突という事態に陥るのを防ぐという制御アルゴリズムが組み込まれた。

テストコースでまず、後進して柔らかいポールに車をぶつける。次にわざとアクセルを踏みつつセレクタをDレンジに入れる。すると、アクセルを床まで踏み込んでいるにもかかわらずエンジンの回転数は抑制され、車は前の壁に向かってノロノロとしか進まない。実際の事故でもパニックから我に返るだけの猶予は十分にありそうだった。

次に「インテリジェント クリアランス ソナー」を試した。超音波センサーで障害物の存在を監視し、自宅のガレージなどでATセレクタをうっかりRレンジに入れたまま発進し、壁に激突するといった事故を防ぐシステムだ。

試乗車は背面に壁がある駐車場を模した場所に置かれていた。運転席に乗り込んでセレクタをRレンジに入れ、そのままアクセルをぐっと踏み込む。クルマは後進しはじめるが、壁を感知して即座にブレーキがかかり、壁面から10cmくらいのところでピタリと停まった。もう一度やってもほぼ同じところで停まる。バックで駐車する時に、停止をクルマ任せにしたくなりそうなくらいの性能だ。もちろんそんなことをしてはダメだが。

これらの操作ミスは、自動車の運転のなかでも相当低レベルなもの。ここまで過保護にする必要があるのかとも思われたが、実際には駐車場からコンビニエンスストア店内への突入など、単純なミスに起因する事故は後を絶たない。クルマ側の工夫で回避できるアクシデントは可能な限り防ぐという観点から、これらの機能を実装するに至ったのだという。

現時点では、クリアランスソナーやレーダーでは、壁は認識できてもポールやフェンスなどを確実に検知するまでには至っていない。今後、そういったものもセンサーで捉えられるようになれば、立体駐車場からの転落事故なども防げるようになるだろう。次期クラウンの安全装備は、事故を起こさないクルマという大目標に向かう重要な中間道標となりそうだ。

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