パナソニックオートモーティブシステムズ社 マーケティング担当 津本直紀 氏

パナソニックはこの秋、カーナビステーション「ストラーダ」の車種専用「Lシリーズ」のカテゴリに新たに6タイプを投入し、ラインナップを拡充した。

新Lシリーズでは、ナビゲーション本体と「ビューティフルキット」と呼ばれる外面パネルをセットで購入し装着する。8V型モニター搭載モデル「CN-LS810D」と組む対応車種に、トヨタ『アルファード』『ヴェルファイア』『プリウス』『プリウスα』用を、7V型モニター搭載モデル「CN-LS710D」と組む対応車種にホンダ『フリード』、ダイハツ『ムーヴカスタム』、トヨタ『アクア』用パネルキットを設定している。

これら“車種別カスタムデザイン”をアピールする新たなストラーダの特徴などを、パナソニック オートモーティブシステムズ社、マーケティング担当の津本直紀氏に聞いた。


◆使いやすさにこだわったからこそ、車種専用&フリック操作対応

----:まず、昨年に「車種専用シリーズ」としてLシリーズ(HDDモデル)が登場しましたが、この秋に登場した新Lシリーズは従来モデルとどのように違うのか、製品の概要をお教えください。

津本:従来のLシリーズは、ナビ本体と車種専用パネルが一体の製品でしたが、この秋発表したLS810・LS710シリーズからは、ナビ本体と車種専用パネル「ビューティフルキット」を分けて販売します。ナビ本体は8インチモデルはLS810、7インチモデルはLS710で共通ですが、車両に取り付けてナビとして利用するには取付キットが必須です。また、もう一つの大きな違いはメディアをHDDから16GBのSDメモリーに変更したことです。

こうして本体とパネルを分けて提供するに至った背景には、車両の保有年数が伸びているということが挙げられます。例えば、7年・8年乗っているオーナーに、「クルマは変わらないけど、ナビだけを変えたい」というニーズが出た際に、ナビ部分だけをリプレイスできるよう、それぞれを別売りにしました。

----:このLS810・LS710シリーズではパネル側にハードキーを設定するなど、デザインや使い勝手の面でこだわりが随所に見られますね。

津本:キット本体には高級感あるピアノブラックフィニッシュや、ウォームシルバーのメタルオーナメントを使用し、高品位な雰囲気を演出しています。 また、おっしゃるように、従来ナビゲーション本体にあった、「MENU」や「音量調整」など、使用頻度の高い操作ボタンを大きなサイズでパネル側に配置しました。これにより、ドライブ中も使用頻度の高い操作を運転席や助手席から確実に行えるようになりました。


----:スマートフォンのようにフリックで操作できる「モーションコントロール」も早くから取り入れていましたね。

津本:今回のLS810・LS710シリーズではフリック操作はメニュー画面のスクロースを横方向のみに統一することで使いやすくし、さらにマルチタッチにも対応しました。1本指でダブルタップ(2回連続タッチ)すると、1段階詳細な地図を表示、2本指でシングルタップ(1回触れる)すると1段階広域の地図を表示します。さらに、ピンチイン(画面に触れた指を狭める)で指の移動量により、段階的に広域の地図を表示、ピンチアウト(画面に触れた指を広げる)で指の移動量により、段階的に詳細な地図を表示できるようになりました。まさにスマートフォンやタブレットPCと同じような直感性があり、画面を直視せずに操作できるので、安全なドライブにも役立ちますね。


◆実用面に配慮した機能向上を実現したスマートフォンアプリ

----:ストラーダではスマートフォン連携にも力を入れておりますが、今回のLS810・LS710シリーズの登場に合わせてスマートフォンアプリもバージョンアップしました。

津本:最新のグルメ・観光スポットなどの検索が可能なスマートフォン専用アプリ「おでかけナビサポート ここいこ」を提供しておりますが、今回のバージョンアップでは、ドライブの目的地探しがより快適になりました。新たに「寄り道コンシェルジュ」を設定し、季節や時間などの条件から、今いる場所の近くにあるおすすめスポットをランダムに紹介します。例えば食事であれば、昼はランチ、夜はディナーという感じで、検索をするごとに異なる検索結果が出ますし、学習機能も付いていますので、温泉ばかり検索していると、温泉の情報が常に出てくるようになりますよ。

----:実用に配慮した機能改善ですね。

津本:また、検索した地点情報はナビ本体内蔵のBluetoothユニットを介してワイヤレスで接続し、車内にスマートフォンを持ち込むだけで自動的にナビゲーションに転送できます。自宅で検索した内容を、クルマに乗ったらすぐにBluetooth経由で目的地設定できるという機能です(Android用)。なお12月25日までの期間限定で、「ここいこ」をダウロードしてキャンペーンのクイズに答えて応募すると、グルメ旅が当たるキャンペーンを実施中です。ナビを購入しなくても、アプリのダウンロードでご応募できますので1度お試しください。


◆「先進機能」と「使いやすさ」の両立目指す

----:スマートフォンで最新のスポット情報を入手できるとすると、少なくとも地図の鮮度という点では、スマートフォンは車載機よりも有利な点といえます。その場合、車載機はどのような点に比重を置いてアピールすべきでしょうか。

津本:端的に言うと、インテリアのマッチング、信頼性、そして自車位置精度の3点がスマートフォンに比べてAV一体型ナビゲーションの有利なところです。まずマッチングですが、ナビの“外付け感”というのはまだあって、インテリアと一体感のある車載機は有利だといえます。また、車載機はクルマの室内の過酷な環境に耐えられるよう、あらゆる試験を通過したモデルとなっています。しかし、スマートフォンなどはクルマの高温・低温に耐えられない場合があります。さらに、車速センサーやジャイロなどの自律センサーを搭載しておりますので、自車位置精度の面でもスマートフォンよりも有利です。

----:音響設定やステアリングスイッチ機能も車種別に設定していますね。

津本:対応車種ごとに最適化した音響セッティングにしています。特別な感性を備えたプロのレコーディングエンジニアが実際に、1台1台車に乗り込んで対応車種毎に最適なEQチューニングを行っておりまして、それを「音の匠」モードとして搭載しています。またLS810・LS710シリーズから、音響設定データはWEBでダウンロードできるようにし、ナビ本体を変えずに車体を変えたユーザにも、継続して使用できるようになっています。

ステアリングスイッチ機能も車種別に設定しているところなども同じスローガンのもとで採り入れた機能なのですが、私たちは、商品開発するに当たって、「使いやすさ」を最も重視しています。先進機能などは積極的に採用しつつ、なおかつ使いやすくならなければならない。逆に、先進機能を入れて使いにくくなるならば、それは望むところではない、という考えです。


◆純正や他社にないストラーダ独自の魅力を

----:エコカー補助金がなくなるにあたり、新車購入も減るのではと思われますが、今後、厳しい市場関係でナビをどう売っていくとお考えですか。

想定するに、今後カーナビゲーションは、価格優先の普及価格タイプと機能重視の高付加価値タイプに二極化すると考えています。そうした流れの中で、高付加価値のあるナビの存在感を高めていければと思います。「純正品より市販品」という志向の人たちに向けて、ストラーダ独自のカラー、魅力を押し出していきたいですね。

----:アクア用ビューティフルキットの発売は年明けの2月と言うことですが。

アクア独自のインテリアにマッチしたパネルなどをどうデザインしようかと悩みましたが、開発チーム全体で商品化を急ぎ、2013年2月発売の運びとなりました。パネル外周のモール部分などのデザインにこだわっていますので、アクアオーナーの方はビューティフルキットの仕上がりをぜひ店頭で確かめていただきたいですね。

《聞き手 北島友和》

クルマに乗り込み、ナビが起動した時点でナビ側へ目的地が送信される(Android版のみ)。 《撮影 石田真一》 トヨタ プリウスαの装着イメージ(LS810D) フリックUI 必要な時に必要な情報が表示される 必要時だけ呼び出せるランチャーメニュー画面 《撮影 石田真一》 ストラーダ連携アプリ「ここいこ」はLシリーズ登場にあわせてバージョンアップを実施。パナソニックの公式サイトではダウンロードキャンペーンも実施している。《撮影 石田真一》 寄り道コンシェルで最寄りのおすすめスポットをレコメンドしてくれる ツートップメニューも健在。フリック操作でAV/ナビの切り替えが可能だ《撮影 石田真一》 高精細で見やすさに配慮された地図《撮影 石田真一》 ホンダ  フリードの装着イメージ(LS710D) パナソニックオートモーティブシステムズ社 マーケティングチーム 津本直紀 氏