Fニッポンは伊沢が優勝。2位オリベイラ、3位デュバル。

“JAF GP SUPER GT & Formula NIPPON 富士スプリントカップ 2012”は大会最終日の18日、Fニッポン決勝とSUPER GT各クラスの決勝第2レースを実施し、計3部門のJAF GP獲得者が決定した。

前日の強雨から一転、好天に恵まれた富士スピードウェイには4万1300人の観客が結集(3日間合計6万8300人)。Fニッポンはこの日の“一発決勝”でJAF GPタイトルの行方を決めることになるが、2番グリッドから好スタートで首位に立ったアンドレ・ロッテラー(#1 PETRONASトムス・トヨタ)がそのまま22周、約100kmのスプリント戦を逃げ切って先頭ゴール、2010年以来となる2度目のFニッポン部門JAF GP獲得を果たした……かに思われたが、再車検でロッテラー車は失格処分を受けてしまう(マシン底面のスキッドブロックが規定値を超えて削れてしまっていた模様)。

この結果、最後まで僅差だった2〜4番手争いを制した伊沢拓也(#40 DOCOMOダンディライアン・ホンダ)が大どんでん返しの繰り上げ優勝となり、JAF GPをゲット。伊沢は「きちんと(ロッテラーと)戦って倒して勝ちたかったですけど、一緒に努力してきたチームスタッフやホンダの開発の人たちのことを考えると、シーズンの最後にいいレースができて良かったと思います。今年はシーズン後半が(シリーズ戦を含めて)良かったので、来年は前半からこういう調子でいきたいですね」との旨を語っている。

2位はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 インパル・トヨタ)、3位はロイック・デュバル(#8 キグナススノコ・トヨタ)。なお、ポール発進の塚越広大(#41 ダンディライアン)はスタート直後の競り合いでマシンにダメージを負ったらしく、1周目にピットイン、この時点で勝負権を失った。予選ノータイムだった今季シリーズチャンピオンの中嶋一貴(#2 トムス)は17番手発進から7位、そしてインディ戦士・佐藤琢磨(#15 チーム無限・ホンダ)は6番手発進から13位。

GT300は前日の第1レースを勝った藤井誠暢のパートナー、影山正美が第2レースのポールポジションということで、決勝順位の合算ポイントで争うJAF GP獲得に向けては#33 HANKOOK PORSCHEが優位を築いていた。しかし、この日の#33 ポルシェはタイヤの温度レンジがコンディションに合わず、ペースが上がらない。五つ巴〜六つ巴のトップバトルを誘発した末に後退し、ピットインしたあげく最終的には14位でレースを終えることに。

第2レース(22周)を制したのは#66 triple a vantage GT3を駆る吉本大樹。#33 ポルシェと#66 アストンマーチン(吉本&星野一樹)は優勝1回、14位1回で同ポイントとなったが、14位だったレースの走破周回数で上まわった#33 ポルシェ(影山&藤井)がGT300部門のJAF GPを獲得した。

そして、プログラム盛りだくさんの大会の大トリが、GT500の決勝第2レース(22周)。前日の第1レースが豪雨による打ち切り終了でレース距離の75%を消化できていなかったため、1〜10位に与えられるポイントは半分になっていた。つまり「第2レースが勝負」という色合いが強まっていたわけだが、このレースは2台のレクサス勢の激烈バトルで大いに沸いた。

立川祐路(#38 ZENT CERUMO SC430)と、中嶋一貴(#36 PETRONAS TOM’S SC430)。閃光煌めく快速スタートで首位に立った立川と、ポール発進から1周目3位に後退しながらも6周目には立川から首位を奪還した一貴のバトルは観客を存分に魅了。しかもこの2人の背後にはホンダの伊沢(#100 RAYBRIG HSV-010)が迫ってくる白熱の展開に。

終盤19周目の1コーナーでの競り合いで一貴がオーバーランを喫し、レクサス同士の首位攻防はついに決着。その後、一貴は背後に伊沢の接近を許すが、これを防ぎ切り、立川〜一貴の順でレクサス1-2フィニッシュ。#38 立川&平手晃平がGT500部門のJAF GPを獲得した。

「シリーズ戦ではないので、楽しもうという気持ちで臨みましたが、あんなに“楽しいレース”になるとは!」と、一貴とのバトルを振り返った立川。「(チームや観客の)みんなにも楽しんでもらえたと思います」。まさに立川の言葉通り。実に楽しく、100kmで終わるのが残念なくらいの好レースで2012年の富士スプリントカップは幕を閉じた(100km戦だから実現した好バトルとも言える)。そして3位には終わったが、この第2レースを盛り上げた一方の主役は伊沢。Fニッポン優勝を含め、ホンダの若手気鋭たる彼が大いに存在感を発揮した一日となった。

往年の名レーサーが競うレジェンドカップは、現役時代に日本人初のル・マン24時間レース総合優勝者となった関谷正徳・現トムスGTチーム監督が優勝。そしてサポートレースも含めて参加全ドライバーを出身地等で東西に分けての対抗戦は大会3年目にして西軍が悲願の初勝利を遂げた。

残念な失格もあったが、シリーズ外の“1大会オンリー勝負”の特別戦ということで、終わってみれば笑顔、笑顔の大団円、そう言っていいだろう。JAF GP 富士スプリントカップは、来季2013年もシーズン末の11月15〜17日に開催が予定されている。

東軍キャプテンは本山哲(左)、西軍キャプテンは脇阪寿一が務めた。 GT300第2レースを制し、大喜びの吉本大樹。 この日の主役は伊沢拓也だったかもしれない。GT500での乗機RAYBRIG HSV-010(山本尚貴がパートナー)。 GT500第2レースはレクサスSC430の立川祐路が制した。 Fニッポン優勝の伊沢車。奥は1位入線も失格のロッテラー車。 Fニッポンの大嶋和也車は今大会、スペシャルカラーでの登場。 佐藤琢磨はFニッポン決勝13位。 午前中のセレモニーにて。#39 レクサスSC430と#12 ニッサンGT-R。 GT300第2レースの表彰台。左から2位の加藤寛規、優勝の吉本大樹、3位の織戸学。 往年の名手によるレジェンドカップは、関谷正徳(中央)が優勝。2位は高橋国光(左)、3位に見崎清志。 今年のレジェンドカップは、トヨタ86のワンメイクマシンで競われた。