租税措置のあり方を審議する「2013年度税制調査会」第1回会合が10月19日、開催された。各省ヒアリングに臨んだ農林水産省は、吉田公一副大臣が説明に立ち、ガソリンなど全化石燃料を課税対象にした新たな税の創設を要望した。

同省の「森林吸収源対策のための税制」構想は、地球温暖化防止対策のために、原因となるCO2を吸収する森林の整備や木材利用推進の財源とすることを目的とする。

地球温暖化防止対策の新税は、10月1日から環境税(地球温暖化対策のための税)がスタートしたばかり。しかし、要望する新税はこれとは別ものだ。

日本再生戦略では「2013年〜2020年平均でCO2の森林吸収量3.5%の確保を目指す」ことが、7月に閣議決定されている。農水省はこうしたことを根拠に、全化石燃料を対象とした新税創設による財源確保の提案に踏み切った。

また、ガソリン税の暫定税率が名前を変えた「当分の間の税率」についても言及。現行の税率をそのままにして税の枠組みを改め、CO2を吸収する森林吸収源対策に係る歳出に当てるべきと主張した。

ただ、これには同席した近藤洋介経済産業副大臣が強く反発。

「新税創設の提案は、驚きをもって受け止めている。地球温暖化対策税は多くの議論を経て導入されたばかり。この地球温暖化対策税は今後も引き上げが予定されていて、そういう中で、またさらなる税を創設するというのはどういうことなのか。これまでの政府の議論をどのように受け止めて議論されているのか理解不能であり、言語道断。経済産業省としては反対する」と、語った。

前川清成内閣府副大臣からも「温暖化対策のために化石燃料に課税するのはひとつの考え方だが、この時期に化石燃料への課税は国民経済への影響が大きすぎる」との声が上がった。

環境税の使途は、エネルギー対策、省エネルギー対策、新再生可能エネルギーの普及に絞られている。農水省が要望する新税が目的とする森林吸収源の整備は入っていない。

吉田氏は「要望であってまだ、決めたわけではない」と、守勢に回るしかなかったが、全国知事会などの決議を背景に、同省は引き続き導入を模索する。