川崎重工ブースにはドクターヘリ仕様の『BK117』を展示。《撮影 石田真一》

今回の国際航空宇宙展でも前回の2008年と同様、ヘリコプターメーカーや代理店による「ドクターヘリ向けのアピール」が目立っていた。川崎重工は日本国内のドクターヘリとして定番の『BK117』の実機を持ち込み、ブース内で展示していた。

それ以上に力が入っていたのは、メーカーとして出展していたイタリアのアグスタ・ウエストランドと、その日本国内代理店である海外物産だ。前者は量産が開始されたばかりの最新鋭ヘリコプター『AW169』の実物大モックアップを。後者は民間の中型ヘリコプターとしては最速を誇る『AW109SP グランドニュー』の実機をブース内に持ち込んでいる。

グランドニューの最大速度は311km/hで、民間仕様のヘリコプターとしては「走行中の新幹線を抜き去ることができる唯一の機種」だという。巡航速度も他の機種を上回っており、その俊足ぶりが評価され、鹿児島県内の病院がドクターヘリとして採用している。

海外物産のスタッフは「同じ距離であればグランドニューは他機よりも早く到着し、同じ所要時間であれば他機よりも遠くまで行けるということで、離島を抱える鹿児島では好評です」と説明する。パイロットの操縦を支援する様々なアイテムが標準装備されていることも特長のひとつだという。

ドクターヘリは実際に運用する航空会社のパイロットが有している機種ごとの操縦ライセンスにも左右され、航空会社の都合で機種が選定されることも多かった。グランドニューのようなスピード自慢の機種が出てきたことで、今後は救命率の向上を目的として、速度を重視して機種を選定する自治体が出てくるかもしれない。

日本国内のドクターヘリとしては、ユーロコプター『EC135』と並び、採用数の多い機体。《撮影 石田真一》 設計当初からドクターヘリとして使用することが考慮されている。《撮影 石田真一》 アグスタ・ウエストランドは最新鋭の中型ヘリ、『AW169』の実物大モックアップを展示。《撮影 石田真一》 こちらもドクターヘリとしての運用を考慮。他機よりも一回り大きく、それを生かしたスペースの余裕が自慢。《撮影 石田真一》 操縦席はいわゆるグラスコクピット。様々な操縦支援装置も加わる。世代が新しいので、すっきりとした印象。《撮影 石田真一》 同じアグスタ社の『AW109SP グランドニュー』は、民間ヘリとしては最速を誇る。展示されていたのはVIP送迎仕様。《撮影 石田真一》 ドクターヘリ仕様のものは昨年から鹿児島県で飛んでいる。最大速度311km/hで離島へも迅速に移動できる。《撮影 石田真一》 様々な操縦支援装置が標準で装備されているのもグランドニューの特長。《撮影 石田真一》 VIP送迎用として使えるほどキャビンは広々としている。ドクターヘリとして使う場合もサイドからストレッチャーで搬入できる。《撮影 石田真一》