150X Sパッケージ《撮影 青山尚暉》

「常識に尻を向けろ」の男尻の衝撃的なTVCFが話題の新型『オーリス』は、欧州ではVW『ゴルフ』などと激烈な戦いを繰り広げるであろうスタイリッシュ&スポーティーハッチバックだ。

この新型は先代比で全高を55mm、着座位置を40mmも下げ、スポーツ路線を一段と高めているのが特徴だ。

そのフラッグシップモデルは1.8リットル+6MTのRSだが、今回はカジュアルかつベーシックな1.5リットルエンジン+CVTの150X Sパッケージに試乗した。

やや胴長に見えるスタイリング、直立断面とソフト素材を使ったインパネデザインは好みが別れそうだし、後席、荷室スペースに特筆すべき点はない。ドライブフィールに欧州風味があるとも言えない。が、走りそのものはなかなか爽快だった。

動力性能的には決してスポーティーとは言えないが、1NZ-FE型1.5リットルエンジンは例外的にスムーズかつ爽やかにスルスル回り、パワステは自然で扱いやすく、出足の加速感も必要十分以上。中間加速にしても1〜2名乗車ならストレスは感じにくい。

もっとも気に入ったのはキビキビとしたリニアで自在な操縦性。低い着座位置、スポーティーなドラポジによって、山道を安心感安定感たっぷりにスイスイと爽快に駆け抜けることができる。高速走行になるとそれまで軽めだったステアリングは中立付近がビシリと締まり、直進安定感は文句なしのレベルにあった。

1.8リットルモデルとはリヤサスペンションが異なり、乗り心地、操縦安定性でやや見劣りするものの、1.8リットルモデルを知らなければ、カジュアルなスポーティーハッチバックモデルとして何の不満も感じられないはずだ。

ちなみに今回はホワイトのボディーを試乗したが、個人的にはオーリスにもっとも似合い、華やかでクラスを超えた存在感があるボディーカラーだと思えた。特に黒いグリルとのコントラストがスタイリッシュさを増幅。ボクが買うなら迷うことなくホワイトボディーである。また、長さ1100mm、幅765mmほどと大面積のパノラミックルーフ付きだとルーフ全体がつややかな黒となり、白いオーリスを一段とスタイリッシュに見せてくれるのだ。荷室ではSパッケージに付く、荷室が上下2段(正確には3段)になるアジャスタブルデッキボードが使いやすい。

「常識に尻を向けろ」というほど、非常識なクルマだとは思えないんですけどね…。

そうそう、オーリスのペットフレンドリーはどうだろう。荷室はアジャスタブルデッキボードを装着しても荷室とフロアの段差はなくならず、開口高が720mmと高いため、大型犬でも荷室側から乗せるのは無理。ところが、リヤドア側からならスポーティーなパッケージ、シート配置が功を奏し、後席座面が地上570mm(中央部分)とごく低く(セダンタイプとしてかなり低いプリウスでも590mm)、中型犬でも飛び乗りやすい高さ。6:4分割の後席片側をほぼフラットに畳めば、後席に乗ってから荷室側へトコトコ歩いて移動することもできる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

トヨタ オーリス《撮影 青山尚暉》 ホワイトのボディとシャープなグリルが似合う《撮影 青山尚暉》 トヨタ オーリス《撮影 青山尚暉》 トヨタ オーリス《撮影 青山尚暉》 インパネ左右はソフト素材。《撮影 青山尚暉》 トヨタ オーリス《撮影 青山尚暉》 トヨタ オーリス《撮影 青山尚暉》 前席 シートはホールド感あるもの《撮影 青山尚暉》 後席はパノラミックルーフを付けるとけっこう狭い《撮影 青山尚暉》 平均燃費計は大きく見やすい。エコ運転に効果的《撮影 青山尚暉》 デジタル時計は助手席側にあり、みにくい。《撮影 青山尚暉》 荷室《撮影 青山尚暉》 デッキボードを上げたところ。下にも空間がある《撮影 青山尚暉》 さらにその下に収納がある。《撮影 青山尚暉》 パノラミックルーフ《撮影 青山尚暉》