日産ノート《撮影 青山尚暉》

新型『ノート』はノートの後継車としてだけでなく、『ティーダ』(ハッチバック)を統合した立ち位置となる。

エンジンは1.2リットルのみ。NA(『マーチ』と同じ )および1.2リットルのスーパーチャージャーが用意され、エクストロニックCVTと組み合わされる 。スーパーチャージャー版の燃費はクラス最高の25.2km/リットルを達成(免税)。むしろNAの22.6km/リットル(75%減税)より好燃費だ。

ボディサイズは全長を先代比+80mmに設定。全高を10mm低めたのはもちろん軽量化&燃費対策で、車重は30kg前後軽くなり、CD値は先代の0.33に対して0.29へと大きく向上した。

こう言ってはなんだが、新型ノート最大のハイライトは、クラス上のティーダユーザーをも満足させる室内の上級感、広大な室内空間、特に後席のゆとりと荷室の使い勝手の良さにある。

後席ひざ回り空間は身長172cmのボクのドラポジ基準でクラス最大のあのフィットをも凌(しの)ぐ275mmもある。コンパクトカーの居住空間とは思えない広さだ 。しかもリヤドアはほぼ直角の85度まで開き、乗降は楽々快適そのもの。子供を抱いた母親もスムーズに乗り降りできる。

荷室はOPのマルチラゲッジボードに注目。装着するとフロアが上下2段になるだけでなく、開口部からフラットになるから重い荷物の出し入れが楽。このクラス で荷室開口部に段差がないのはノートだけだ。

荷室の開口高は地上635mmとワゴン並みに低く、つまりノートはコンパクトカーとして唯一、荷室側から大型犬などのペットを乗せられることになる 。

今回は1.2リットルのスーパーチャージャーエンジンを積むX DIG-S(免税)を試乗した。

まずエコモードONで走りだす。するとエンジンは基本的に1.2リットルのNAユニット状態。スーパーチャージャーはキックダウンスイッチを踏むまで作動せず、加速は終始ごく穏やか。出足はけっこう3気筒らしさがある。ただ、メーター上部の美しい照明の変化でエコ走行をサポートしてくれるのはエコモード時のみ。できればこのモードのまま走りたいと思わせる。

エコモードを解除するとスーパーチャージャーがおよそ1500回転からシームレスに作動(まず気づかない)。1.5リットル並の加速力を披露してくれる。ダウンサイザーならこのモードがちょうどいい 。そう、新型ノートは2種類のエンジンを持つコンパクトカーとも言えるのだ。

標準の14インチエコスペシャルタイヤを履く乗り 心地は良路であればそこそこ快適。そして静粛性も高い。何しろCVTは常にごく低い回転数をキープし、100km/h巡行時のエンジン回転数は1.2 リットルの3気筒車とは信じがたい1750回転ほどなのである。

もっとも走り全体を俯瞰すればごく普通。しかし、操縦性は誰もが安心できるようにしつけられ、カーブ、高速レーンチェンジでのクルマの穏やかな動き 、安定感・安心感はクラス最上級。走って楽しいクルマじゃないが、割り切ったキャラがむしろ好ましい。メイングレードで150万円を切る価格も魅力的だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

リヤコンビランプはけっこう個性的。《撮影 青山尚暉》 空力に効くリヤコンビランプ形状。《撮影 青山尚暉》 前席《撮影 青山尚暉》 日産ノート《撮影 青山尚暉》 日産ノート《撮影 青山尚暉》 エコモードスイッチ。《撮影 青山尚暉》 リヤドアは85度開く。《撮影 青山尚暉》 後席《撮影 青山尚暉》 後席膝回り空間は世界のコンパクトカー最大。《撮影 青山尚暉》 通常荷室《撮影 青山尚暉》 後席格納《撮影 青山尚暉》 OPのフロアボード装着で開口部がフラットに。犬の乗降も可能だ。《撮影 青山尚暉》 日産ノート《撮影 青山尚暉》