ザウバー(2012年日本GP)

小林可夢偉の鈴鹿3位表彰台というリザルトは、日本人を等しく感動させたが、2013年ザウバー残留の可能性にはほとんど影響を及ぼさないとチーム幹部は語る。

レース終盤、ジェンソン・バトン(マクラーレン)の執拗な追撃を退けての鈴鹿表彰台は、自身の存在価値をチームに納得させたかった小林にとっては、非常にタイムリーなリザルトでもあった。

しかしザウバーのCEOモニシャ・カルテンボーンの理解は少し違うようだ。ザウバーチームは来季のドライバーラインナップを最終戦前までに確定すると語る一方で、小林の資質については十分に認識しており、たった一戦の好成績でどうこうなるものではないという。

「チームの考えは鈴鹿の前と後でほとんど何も変わっていません。逆の場合でも同じだったでしょう。可夢偉の日本でのリザルトが表彰台未満だったとしても、来年のシートを諦めろなどとは言いませんよ。ラインナップは現在検討中ですが、チームは彼の資質をきちんと評価していますから、何が何でもここで表彰台に上がってくれとは考えていません」

一方で、フェリペ・マッサの鈴鹿の2位表彰台によってフェラーリ残留のチャンスが一気に高まった結果、フォースインディアのニコ・ヒュルケンベルクがセルジオ・ペレスの抜けたザウバーに移籍する可能性が指摘されている。

小林としては、鈴鹿の好成績を材料に日本企業のスポンサーを集めることでザウバーの残るシートを確保したいが、ハイメ・アルゲルスアリやシャルル・ピック、エステバン・グティエレスなど、ザウバーのシートを狙うライバルは多数だ。

カルテンボーンは小林のポディウムフィニッシュを評価材料と認めつつも、これだけで残留の可能性が増えたとは思わないと言う。

「もちろん日本GPのような結果は、彼の評価、キャリアにとって有益です。むしろ今シーズンの彼はとても苦労してきたと思うので尚更です。可夢偉のドライバーとしての能力は、慎重に判断したいと思っています。今回は予選の結果が良かったこともあります。その一方でタイヤの制約やストラテジーがあって、他のドライバーの動向を判断する中で、あえてリスクを冒して結果が良い方向に転んだのです。今季、可夢偉は非常に運が悪かったと言えるのですが、ようやく反対方向に風が吹き始めたようですね」

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