領土問題から韓国、中国からの訪日観光客が減少している中、東京商工リサーチは、旅行会社を対象に、海外旅行について9月以降の申し込み状況のアンケート調査を実施した。

調査は全国の主な旅行会社57社を対象に実施し、有効回答は44社だった。

調査結果によると、9月以降の海外旅行の申し込みが、前年同期より「減った(20%以上)」は6社、「やや減った(5〜20%未満)」は17社で、前年同期より申し込みが5%以上「減少」した旅行会社は合計23社、全体の52.3%と半数を上回った。「あまり変わらない」は13社、5%以上の「増加」は合計8社だった。

9月以降、海外旅行の申し込みが、前年同期より「減少」と回答した23社を対象に減少要因を聞いたところ「中国、韓国との国際緊張の影響」がトップで19社と8割以上を占めた。中国、韓国との関係悪化が、両国への海外旅行にも大きな影響を与えていることが浮き彫りとなった。

中国取扱いの42社と韓国取扱い42社を対象に、中国、韓国旅行の取扱い比率を聞いたところ「20%未満」が中国32社、韓国30社で最多。ただ、中国旅行で取扱い比率40%以上が2社、韓国旅行でも取扱い比率60%以上が2社あった。中には人気ツアーをねらった中国や韓国を専門にした旅行会社もあり、旅行会社のなかでも両国ツアーへの依存度合に濃淡が大きい。

韓国ツアーの取扱いが80%以上の旅行会社は「事態が沈静化すれば徐々にツアー客は戻ると予想している。正確な韓国情勢を常に発信していきたい」と回答している。

9月以降の海外旅行の申し込みで、中国、韓国ツアーのキャンセルがあった旅行会社は34社で全体の77%にのぼった。

9月以降の全体の海外旅行の申し込みが「あまり変わらない」「やや増えた」「増えた」と回答をした12社でも、中国、韓国向けツアーのキャンセルは発生しており、キャンセルは旅行業全体に波及している。

中国、韓国旅行の予約キャンセルが発生した34社(無回答2社を含む)のキャンセル人数は、100人未満が最多の21社だった。次いで100人以上1000人未満は10社、1000人以上と回答した会社も2社あった。

今後の申し込みの予想では、回答した41社のうち、中国、韓国を含む海外旅行全体では、「減少」を見込むのは19社で全体の約半数を占めた。次いで「変わらず」が17社だった。

一方で、中国、韓国への旅行では、回答した延べ80社のうち「減少」が中国35社、韓国27社の計62社と全体の約8割を占めた。このうち、中国は「減少」を予想する旅行会社が約9割と大半を占めた。韓国は「減少」が約6割、「変わらず」の予想が約3割あった。

日本航空(JAL)グループと全日本空輸(ANA)グループの大手航空会社2社は、韓国路線は運行や機材の変更を格別行っていない。中国の一部路線では期間限定の減便や小型機に機材変更するなどしている。韓国で「増加」と回答した2社は「11月から年内に回復する」と回答している。