パラゴムノキの種の組織を培養中《撮影 山本一雄》

ブリヂストンは、「100%サステナブルマテリアルコンセプトタイヤ」に関する技術説明会を開催、合わせて東京都小平市の同社技術センターを公開した。

技術センター見学会では、タイヤのトレッドパターンのデザインを行う「デザインルーム」、材料分析・解析を行う「電子顕微鏡他」、そして天然ゴムのDNA解析を行う「天然ゴム実験棟」など研究施設の一部を公開。

「デザインルーム」では、ブリヂストンカスタムが施された汎用CADソフトを使用し、2Dデザインから3Dデザイン、摩耗外観、性能予測計算シミュレーション、車両装着3D画像などをリアルタイムで実演した。

「電子顕微鏡他」では、同社の解析技術の中枢で、投影型の電子顕微鏡や超電導電磁石装置など様々な大型機器が集まり、ナノレベルでの構造解析を行なっていた。また、同施設だけでなく、兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」を利用しているという。

そして、「天然ゴム実験棟」ではDNAマーカーという遺伝子情報を使用しゲノム解析を行い、成長の早いもしくは生産量が多い木を選ぶという技術の研究、もう一つはその選んだ木と同じ性質の木を増殖させて苗を作る技術を研究していた。

同研究所稲見圭悟氏によると、ゲノム解析では、まず原料の葉からDNA情報を抜き出し、配列をバラし、読み取ることが可能となった生データの状態で初めて質の良さやその木の素性をチェックすることが可能であるという。読み終わったデータは、もう一度つなぎ合わせ復元する必要が有るという。稲見氏は「DNAの情報はあまりにも膨大であるために、まだ把握しきれていない部分が多いので、サンプル数にもよりますが、良い木を見つけるまでにだいたい2〜3年の分析と調査が必要ですね」とゲノム解析の難しさを説明した。

研究室内にはパラゴムノキの種の組織を小さく切り培養しているシャーレが並んでいた。これらは培養が進むと、小さな苗となり、ひとつの種から数百本の苗が誕生するということになる。この研究はすでに10年経過しており、現状やっと苗をインドネシアに出荷し育て、本当に従来品よりも良いものかどうかの検証段階に入るという。

天然ゴム実験棟由来のゴムを使用したタイヤに触れることができるのは、まだまだ先の話になりそうだ。

天然ゴム実験棟内部《撮影 山本一雄》 天然ゴム実験棟内部《撮影 山本一雄》 天然ゴム実験棟内部《撮影 山本一雄》 ブリヂストン 技術センター《撮影 山本一雄》 天然ゴム実験棟内部《撮影 山本一雄》 研究の概要《撮影 山本一雄》 パラゴムノキの種の組織を培養中《撮影 山本一雄》 このような苗の状態になるには1年近くを要する《撮影 山本一雄》 ゲノム解析中のPC画面《撮影 山本一雄》 ブリヂストン 天然ゴム実験棟でゲノム解析を行なっていた稲見圭悟氏《撮影 山本一雄》 このコンピューターでDNA情報を引き出す《撮影 山本一雄》