富士経済は、今年5月から7月にかけて、国内のセキュリティ関連の機器・システム、サービスの市場を調査し結果を報告書「2012セキュリティ関連市場の将来展望」にまとめた。

報告書では、映像監視、アクセスコントロール、イベント監視・通報、家庭向け防犯、防災・危機管理、自動車・ITSの6分野26品目のセキュリティ関連の機器・システムと7つのセキュリティサービスの市場を調査し、この市場をビルや店舗、住宅などシーン(場面)別に分析した。また、セキュリティ関連市場の対象外だが、東日本大震災以降注目される防災関連システム・サービスの動向も合わせて調査した。

調査結果によると国内セキュリティ関連市場は2011年が東日本大震災やタイ洪水の影響を受けて部品や部材の調達が滞り、自動車分野をはじめとする一部品目で生産に支障が出たことから、特に機器・システム市場が縮小、前年比3.5%減の4711億円だった。

今後は、企業の情報セキュリティ強化ニーズの拡大により、市場は順調に拡大すると予測され、機器・システム市場は特に監視カメラを中心とした映像監視や、入退室管理システムを中心としたアクセスコントロールの拡大を見込む。また、サービス市場は高齢化社会の進展を背景に見守りサービスに対するニーズが高まっており、今後も拡大が予測され、2015年には2011年比13.5%増となる5349億円を予測する。

注目される市場として緊急地震速報対応端末は2011年が前年比60.7%増の13億5000万円だったのが、2015年には35億円を予測する。

市場は緊急地震速報の一般への配信が開始された2007年に本格的に立ち上がった。専用端末の採用は、住宅、企業、自治体、学校など多岐にわたるが、震災以降、企業や教育機関向けが大きく拡大している。特に企業向けでは、緊急地震速報と連動して、生産設備を自動で停止する機能が脚光を浴び、リスクマネジメントに対する意識の高まりとともに、高機能な専用端末の需要が拡大している。

住宅向けでは、携帯電話やラジオによる簡易なサービスも普及していることから震災を契機とした採用拡大は見られないとしている。