領土問題をめぐる日中の対立で日系企業の中国事業に影響が出るなか、9月26日付の朝日新聞朝刊(東京本社発行13版)1面の、『トヨタ 中国生産「10月ゼロ」』という見出しに、眠気が一気に吹き飛んだ。

3段見出しで、1面では3番手の扱いだが「まさか」という見出しだ。書き出しの文章で、トヨタは『中国での現地生産計画を「ゼロ」とする方針を固めた』とある。いくら販売に影響が出ているからといっても、ゼロでは早晩、商品供給に支障が出る――そう思いながら読み進めると、トヨタが有力取引先(直系部品メーカーと思われる)に対し、10月の生産台数について「白紙とする計画を示した」とあった。

こうした不確実な事業環境となると、生産計画は白紙に戻して見直すのは当然であり、それはトヨタに限らない。そこから、なぜ「ゼロ」の方針を固めたとなるのか、極めて不可解な記事であり、見出しも考えずに漫然と付けている。いくら日中関連の報道が注目されるといっても、悪乗り報道は読者を混乱させるだけだ。

さすがに、関係者はまずいと思ったのか、都心部などに配布される最終版では「10月計画は白紙」と、”訂正”している。朝日は、外部関係者による紙面批評や、記事訂正には前向きな新聞。最終版での手直しのように、明日27日付では13版地域の読者にも、きっちり訂正してほしいものだ。