テスラ・ロードスター《撮影者 松下宏》

テスラ・ロードスターは、ロータスのシャシーに大量の電池を搭載して作られた新しい時代を切り開いた電気自動車である。

高価な電池を大量に搭載するため、価格が高くなって一般的のユーザーにはリアリティのあるクルマではなくなってしまったが、逆に航続距離の点では電気自動車の現実的な使い勝手を実現したクルマともいえる。

テスラ・ロードスターを走らせるのに難しい操作はいらない。普通のガソリン車と同じようにイグニッションキーを回すと、ポーンというチャイムが鳴って走り出せる状態にあることを教えてくれる。

トランスミッションはP、R、N、Dのボタンがあり、Dのボタンを押すだけでいい。後はアクセルを踏むだけで進んでいく。

テスラ・ロードスターの走りはその加速性能の高さに特徴がある。瞬時にトルクが立ち上がる電気モーターの加速は、ガソリン車とは比べ物にならないレベルである。

i-MiEVやリーフなども電気自動車らしい加速の良さは備えているが、テスラ・ロードスターの速さは別格。1万4000回転まで回るエンジン(モーター)は最高出力292ps、最大トルク40.9kg-mの動力性能を発揮し、大パワーの出入力が得意な電池の特性によってケタ違いの速さを見せる。

カタログデータでは3.7秒で時速97キロに達するとのことだが、アクセルを踏み込めば無限に伸びていくかのような加速を示すので、自制心を持って運転する必要がある。

直進だけでなくコーナーでの安定性にも優れるのは、ロータスのシャシーを使っているからだろう。クルマの後部に重い電池を搭載するので、後輪がしっかり地面に押しつけられている感じだ。

前後の重量配分は前輪が440キログラムで後輪が840キログラムという思い切り後輪寄りの配分で、後輪に前輪より太い225/45R17タイヤを履いていることもコーナーでの安定性につながっていると思う。といっても、コーナーでリアヘビーなマシンのアクセルを開けるのは慎重にならざるを得ない。

走行モードは3種類が設定されていて、それによって航続距離に違いが出る。マックスレンジを選ぶと最長では一回の充電で394キロもの距離を走るというから、普通のクルマと変わらない感覚で使える。

パワフルな走りを楽しむモードを選択すると、航続距離は短くなっていくが、航続距離にあまり神経を使うことなく走れるのでストレスを感じなくていい。

ロータスがベースであるだけに、乗降性が悪くて乗り込むのが大変だし、足回りはガチガチに硬くて乗り心地は悪く、ステアリングも相当に重いなど、必ずしも快適ではない部分もいろいろある。

でもステラ・ロードスターは、電気自動車の新しい時代を切り開いた画期的なスポーツカーとして、歴史に残る1台だと思う。


■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

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