材料強度の関するグラフ

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は9月12日、自動車用樹脂の強度を従来の3〜4倍にし、熱による寸法変化を2割程度にまで抑える技術を開発した。

製紙用パルプに含まれる植物由来の再生可能資源で、軽量・高強度の特徴をもつセルロースナノファイバー(CNF)を樹脂中に均一分散させることで実現した。

NEDOと京都大学、京都市産業技術研究所、王子製紙、三菱化学、DIC、星光PMCが共同で開発した。

この樹脂部品は、CNFと自動車用樹脂との相溶性を大幅に改善し、樹脂中にCNFを均一に分散させることを可能とする表面修飾技術を開発することで実現した。この技術を、ナノ解繊前の製紙用パルプに採り入れ、溶融した樹脂と混合することで、パルプのナノファイバー化と樹脂中への均一ナノ分散を同時に達成することに成功した。

開発した疎水化CNFで複合化したPPやPE、ポリアミド(PA)では、射出成形を行うと、樹脂中に均一分散したCNFにより樹脂の結晶が一方向に並ぶ。この結果、樹脂中に10〜15%のCNF添加で、樹脂の強さは3〜4倍にまで向上し、線熱膨張も2割程度にまで大きく抑えることができる。

今回開発した材料は今後、自動車用部材に加え、家電、住宅、包装・容器等に用いられる樹脂部品への幅広い展開が可能。自動車メーカーや機械メーカーと連携しながら生産技術の開発にも取り組んでいく。

今回の成果は、9月19日から21日まで、名古屋工業大学で高分子学会が主催する「第61回高分子討論会」と10月15日に京都市で開催される国際シンポジウム「Nanocellulose Summit 2012」で発表する。