トヨタ・ポルテ Xグレード(ボディカラー:スーパーレッドV)《撮影者 太宰吉崇》

8月の車名別販売ランキングが出そろった。「スライドドアを持つ背高・コンパクトなクルマ」プチバンはカテゴリーとして国内市場へ定着しつつあるのだろうか。潜在需要の開拓は進んでいるのだろうか。

■ポルテ/スペイドしたたかに

日本自動車販売協会連合会が発表した8月の新車乗用車の車名別販売台数ランキングでは、プチバンに位置づけられるトヨタ『ポルテ』『スペイド』が8位と9位にランクインした。(前年同月比)

1位:プリウス 2万3828台(4.7%減)
2位:アクア 1万9076台
3位:フィット 1万2249台(27.4%減)
4位:セレナ 9872台(48.9%増)
5位:カローラ 6861台(15.1%増)
6位:ヴィッツ 6274台(38.8%減)
7位:フリード 5633台(66.2%増)
8位:ポルテ 4883台(320.6%増)
9位:スペイド 4670台
10位:ステップワゴン 4300台(138.6%増)

販売好調なポルテとスペイド。当初、トヨタ自動車はポルテとスペイドの月販目標をそれぞれ4000台、合計8000台と掲げていたが、受注状況は7月23日の発売からおよそ1か月にあたる8月26日時点で約2万4000台。月販目標の約3倍の受注を獲得している。

ユーザーの燃費性能に対するニーズはとどまる気配がない。各社はハイブリッドカー(HV)をはじめ、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッドカー(PHV)、ガソリンエンジンの高効率化といった環境対応の駆動システム採用を加速している。ランキング上位の『プリウス』『アクア』『フィット』は、いずれもHVとして代表的な存在であり、優れた燃費性能と利便性が高次元でバランスしている車両だ。

一方、燃費性能もさることながら、利便性・スタイルという切り口でランキングに切り込んできたのがポルテ/スペイド。今回の販売実績により、需要の吸い上げに成功しているしたたかさが浮き彫りになった。背高・スライドドア採用のコンパクトカー、プチバンへの需要は身近に存在していることが読み取れる。

■群雄割拠の軽自動車

全国軽自動車協会連合会が発表した軽自動車の8月車名別販売ランキングでは、プチバンの代表格、ホンダ『N BOX』が1万7308台で5か月連続でトップとなった。このほか、『タント』『パレット』『ピクシス』など、多くの車両が背高・スライドドア採用のプチバンスタイルをとっている。

1位:N BOX 1万7308台
2位:ワゴンR 1万4645台(13.2%増)
3位:ミラ 1万3596台(132.3%増)
4位:タント 1万2629台(9.7%増)
5位:ムーヴ 9433台(20.1%減)
6位:アルト 8800台(33.8%増)
7位:モコ 4620台(1.2%減)
8位:パレット 4582台(3.8%増)
9位:ピクシス 3196台
10位:MRワゴン 2969台(54.4%増)

小型車や軽自動車にも燃費性能に対するニーズは強く存在する。9月6日に発表されたスズキの新型『ワゴンR』は軽自動車初となる低燃費化技術「エネチャージ」「新アイドリングストップシステム」「エコクール」を全車に採用。軽ワゴントップの低燃費、28.8km/リットル(JC08モード、NAエンジン・2WD車)を実現した。スズキの鈴木修会長兼社長は軽自動車の燃費競争について、「今日は優位であっても、明日も優位という保障はない。安心ということはない」と厳しい環境にあることを示した。

登録車同様、燃費競争が続く軽自動車市場では、すでにプチバンの存在感は大きい。登録車のように駆動システムの改良、次世代化という方向にリソースを割くことが現実的ではないため、利便性・スタイルの追求=プチバン化は拡販に欠く事の出来ない手段となっている。

新型ワゴンRの投入で、軽自動車市場の役者は出そろった。ワゴンRがトップに返り咲くのか、新興勢力のプチバン各車が時代を築くのか。群雄割拠の軽自動車市場。覇権争いは激しさを増している。

プチバンのカテゴリー概念図 トヨタ ポルテ トヨタ スペイド トヨタ ポルテ《撮影 青山尚暉》 トヨタ ポルテ《撮影 青山尚暉》 トヨタ・ポルテ Xグレード(ボディカラー:スーパーレッドV)《撮影者 太宰吉崇》 トヨタ・ポルテ内装 Xグレード《撮影者 太宰吉崇》 ホンダ・N BOX+ カスタムターボ 2トーンカラー仕様《撮影 青山尚暉》 ホンダ・N BOX+カスタムターボ《撮影 青山尚暉》 スズキ・パレット 日産・ルークス ダイハツ・タント 日産・オッティ 三菱・eKワゴン ホンダ N BOX ノーマル《撮影 雪岡直樹》 ホンダ N BOX ノーマル《撮影 雪岡直樹》 ホンダ N BOX カスタム《撮影 雪岡直樹》