ルネサスエレクトロニクス赤尾泰社長(中央。2011年5月18日)

東京商工リサーチは、2012年主な上場企業の希望・早期退職者募集状況の調査結果を発表。募集は8月30日現在で50社に達し、総募集人数は、3年ぶりに1万5000人を超えた。

2012年1月以降、希望退職および早期退職者募集の実施を情報開示した上場企業は、具体的な内容を確認できた企業が50社に達し、前年の累計58社を上回る水準で推移している。

総募集人数(募集人数が不明の場合は応募人数をカウント)は、日本電気、シャープ、ルネサスエレクトロニクスなど大手電機メーカーが相次いで募集に踏み切ったことで、1万5174人を数え、すでに前年の1.7倍となった。募集人数の1万5000人超えは、リーマン・ショックに端を発した世界同時不況で、上場企業のリストラに拍車がかかった2009年の2万2950人以来、3年ぶり。

個別企業で募集人数が最も多かったのは、半導体大手のルネサスエレクトロニクスの5000人。次いで、日本電気の2393人、シャープの2000人、軽自動車の受託生産を行う八千代工業の771人、液晶パネル製造装置大手のアルバックの700人と続く。募集または応募人数が100人以上は19社を数えた。

総募集人数が大幅に増えた要因には、日本電気、シャープなどの大規模な人員削減が大きく影響した。高止まりした円高で価格競争力が低下した電機メーカーなどの深刻な業績不振を浮き彫りになり、今後はメーカー下請など中小企業の雇用面への波及が懸念される。
業種別で、最も多かったのは電気機器の14社。次いで、小売5社、機械、金属製品、情報・通信が各4社と続く。市場区分では、東証1部が最多の24社で、次に東証2部が11社、ジャスダックが7社の順だった。

ソニー、パナソニックなど、人員削減を計画しながら具体的内容が未公表のため今回の調査に集計されない大手上場メーカーもあり、大規模な人員削減はまだ広がる動きをみせている。もし、年内に計画が実行されると2012年の上場企業の希望・早期退職者の総募集人数は2万人を超え、リーマン・ショック時を上回る事態も危惧される。

主な上場企業 希望・早期退職者の募集実施推移