今年5月、運転操作ミスから静岡県熱海市内の県道で中型トラックを暴走させ、7人に重軽傷を負わせたとして、自動車運転過失傷害の罪に問われた57歳の男に対する判決公判が8月16日、静岡地裁沼津支部で開かれた。裁判所は執行猶予付きの有罪を命じている。

問題の事故は2012年5月14日の午後3時40分ごろ発生している。熱海市上宿町付近の県道(片側1車線)を走行していた中型トラックが赤信号を無視して交差点に進入。右方向から進行してきた路線バスに衝突した後、対向車線を進行してきた別の路線バスとも接触。トラックはなおも止まらずに暴走を続けて軽乗用車と衝突し、さらに道路沿いの建物に突っ込んでようやく停止した。

この事故で軽乗用車の乗員ら7人が重軽傷。警察はトラックを運転していた57歳の男を逮捕したが、事故を起こしたトラックは過積載だったうえ、下り坂が長く続く現場の県道でフットブレーキを多用した結果、ブレーキが過熱してほとんど効かない状態になっていたことが後に判明している。検察は後に自動車運転過失致死傷罪で起訴している。

16日に行われた判決公判で、静岡地裁沼津支部の宮本孝文裁判官は「被告は現場に至る県道が長く続く下り坂ということを認識し、他の迂回路を選択することができたにもかかわらず、最大積載量の約2倍にあたる過積載の車両を漫然と走行させた」認定した。

その上で裁判官は「過失の程度は軽くないが、自車がコントロールを失った後も適切なハンドル操作を行い、通行人に衝突させないようにしていた」と指摘。任意保険にも加入していて被害弁済が行われる可能性が高いことを斟酌し、被告に対して懲役1年6か月(執行猶予5年)の有罪判決を言い渡している。