メルセデスベンツSLクラス《撮影者 松下宏》

外観デザインは見るからにSLクラス。ロングノーズ・ショートデッキのスポーツカーそのものといったデザインだ。オープンにしたときのカッコ良さとルーフを閉じた状態のスタイリッシュさを両立させている。

フロントグリル回りのデザインはSLKクラスと共通するものがあり、統一性を図っているのが分かる。

インテリアは正に高級車のもの。本革や木目パネルなど、自然素材を使って入念に作り込まれ、ラグジュアリーな雰囲気にあふれている。

新型『SLクラス』では、センターコンソールにシフトレバーが設けられているが、レバーはRとNとDを選択するためのものでしかない。Pレンジすらないのだ。ギアを選んでの変速操作はステアリングの裏側のパドルを使うことになる。

SLクラスは極めて高いパフォーマンスを持つが、それを発揮させるスポーツ性より快適な高速クルージングを楽しむ豪華な高級車という印象の方が強い。

2機種の搭載エンジンは既にCLクラスなどに搭載されているのと同じもの。動力性能を向上させながら、燃費を大きく向上させた新世代エンジンだ。

これに加えてオールアルミ製のボディによる軽量化が図られていて、この軽さが(といってもSL350で1790kgもあるのだが)加速の良さにつながっている。『SL350』でもとてもスムーズな、また『SL550』では圧倒的な加速が得られる。

試乗車はSL350がAMGスポーツパッケージ装着車でタイヤは19インチだったが、ABC(アクティブ・ボディ・コントロール)付きの電子制御サスペンションにより、乗り心地の良さも相当なもの。30/35偏平のタイヤを履いているとは思えない乗り心地だ。この快適性もラグジュアリーなクルーザーのものである。

18インチの35/40タイヤを履いたSL550はそれ以上に快適性の高い走りを見せた。

スイッチひとつでガラスルーフの濃さを変えられるマジックスカイ・コントロールはなかなかの優れモノだが、今回のSLクラスにはほかにも風の巻き込みを防ぐ電動ドラフトストップ、ワイパーブレードからウォッシャー液が出るマジックビジョン・コントロール、リヤバンパーの下に足をかざすとトランクリッドが開くハンズフリーアクセスなど、いろいろな新装備が用意されている。

これらの快適装備も新型SLクラスの性格を示すものと言っていい。

パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

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