パナソニック オートモーティブシステムズ マルチメディア3ビジネスユニット 藤本周一氏

パナソニックが2012年6月に発売した、ストラーダHDDカーナビステーション「Hシリーズ」(CN-H510WD/CN-H510D)は、スマートフォンとの親和性を高め、スポット検索やルート探索の利便性を向上させたことがトピックだ。

さらに新東名高速道路に対応し、最新地図データを収録、ITSスポットサービス(DSRC)を活用したルート探索を可能とするなど、ナビゲーションの性能もアップしたというHシリーズ。今回は、開発担当のマルチメディア3ビジネスユニット 藤本周一氏に、同機の進化した点や魅力的な機能などを語ってもらった。


◆AV機能と操作性を強化

----:Hシリーズは2011年に登場した新ラインでしたが、Hシリーズ開発にあたって力点を置いたところはどこですか。

藤本:今回のモデルに限ったことではないのですが、ストラーダとして一貫して力を入れているのは、やはりユーザインターフェースです。操作性の向上やアクションの容易さの面で、他社製品と比べて「ひと手間もふた手間も省けて簡単に操作できますよ」という点をアピールしてきました。また、スマホの普及でフリック操作が定着してきているので、このUIトレンドを積極的に取り込んだストラーダの中核モデルという位置づけになっています。

----:では、6月に発売した新型のHシリーズ(CN-H510WD・CN-H510D)で、先代モデルから進化した点などをお教えください。

藤本:ハードウェアは従来機種をほぼキャリーオーバーしていますが、地デジのボードを内製化するなどしてAV機能を強化しています。これに伴って細かいところですがAVCHD(パナソニックとソニーが共有するハイビジョン動画記録フォーマット)にも対応できるようになりました。デジカメで撮影したAVCHDコンテンツをSDカード経由で再生できます。


◆ナビの利便性を引き出すスマートフォン連携

----:Sシリーズから採用を始めたスマートフォン連携にも新型Hシリーズで対応しました。

藤本:スマートフォン専用アプリ「おでかけナビサポート ここいこ」(iPhone/Androidに対応)を立ち上げてBluetoothで利用するものです。スマホアプリならどこでもスポット検索が利用でき、グルメスポット、旬の観光スポットなどの最新コンテンツをダイレクトで検索できるなど、利便性は高いです。

----:オンラインデータベースはスポット情報の鮮度という点でも利便性が高そうです。

藤本:これまでは、電話番号と住所といった情報だけを頼りにスポットやルートを検索していましたが、「ここいこ」ならば「ぐるなび」「るるぶDATA」「Yahoo! JAPAN」といった個々のコンテンツプロバイダの検索ができ、これらのデータベースがひとつにまとめられたというイメージです。この「ここいこ」とナビとの連携で、目的地検索の使い勝手が非常によくなりました。例えば、お店の評判などはナビ単体ではわかりませんが、口コミ情報や評価などこうしたスマホとの連携で、細かい情報を拾えるようになりました。「ここいこ」のダウンロード数はすでに5万を超えており、今年中に20万を超えることを目標としています。

----:操作系もブラッシュアップされましたね。

藤本:メニュー系の操作性改善を図り、これまでは横方向のスクロールのみだったものを、縦スクロールを可能にしています。

----:実際に使ってみるとBluetoothでのペアリングも簡単で速く、さらにITSスポットサービス(DSRC)のルート再探索のスピードがアップし、リルート情報などの表示もストレスなく表示されるようになった印象です。

藤本:ITSスポットサービスは、DSRC(狭域無線通信)の利点を活かしたものです。オプションという扱いですが、十数万円もするナビにとっては付加パーツでさらに機能をアップできる要素が必要という考えに立っています。


◆スマホ連携はナビの機能や魅力を引き出す重要なポイント

----:オンラインでユーザー登録し、アンケートに答えると更新地図サービスを3年分受けられるキャンペーンも定着しました。

藤本:買っていただくからには長く使っていただきたいということで始めたサービスですが、お客様には好評です。この提供サービスのおかげでユーザ登録していただく方が大幅に増えました。アンケートでのユーザの声は開発陣にも共有されて、次の新商品をつくるときに反映されます。新商品の企画会議ではユーザーアンケートの結果を見ながら進められますから。

----:補助金のブームやスマートフォンの普及などで、カーナビも変革期を迎えると思いますが、今後のHシリーズの方向性などをお教えください。

藤本:カーナビはまだ全ての人、全ての車に行き渡っている訳ではありません。とくに、カーナビの操作を難しいと感じている方々、あるいは地図の苦手な方々にも受け入れられるような、直感的に使えるカーナビをつくっていきたいですね。今後はカーナビユーザの裾野を広げていくアプローチもしていきたいと思っています。例えば、我々開発陣は気付かないものですが、ユーザから「なぜナビの声は女性なの?」なんていう質問をいただくこともある。これまでの既成概念にとらわれずに新しいナビ作りに取り組みたいです。

----:CD、DVD、HDD、メモリとハードウェアが進化してきたカーナビですが、ストラーダは「目的地を探し、道案内する」というカーナビの基本機能を突き詰めて向上させている印象です。

藤本:“飛び道具”的な斬新な機能も欲しいのですが、まずは実用的で使いやすいものを、というのが第一ですね。今回のスマホ連携などは機能はかなり斬新ですし、使いやすさで我々の商品を選んでくれるはずだと自負しているところはありますね。

----:スマートフォン連携は各社が模索している段階ですが、今後はスマートフォンを使い慣れた20代・30代とシニア層とのギャップも出てきそうですが。

藤本:ストラーダは、長年培ってきた自車位置精度や家電で磨いてきた高画質、操作性や信頼性などで一線を画してきた点でご評価いただいていますが、中心のユーザー層が30代から40代、さらにその上に移行しつつあることも事実です。ストラーダをお使いいただく中心の年代層と、スマートフォンを使いこなしているユーザ層とのズレが若干あるのは確かですが、スマホ連携はナビの機能や魅力を引き出す重要なポイントですので使い勝手の良さを更に磨きながら、幅広いユーザーにアピールしていきたいと思います。

《聞き手 北島友和》

最大の特長はスマートフォン連携。インストールしたアプリから目的地の設定ができる。《撮影 石田真一》 ダイバーシティ東京はもちろんヒットする。《撮影 石田真一》 渋谷ヒカリエや東京スカイツリータウンも検索可能。《撮影 石田真一》 DSRC車載器と組み合わせると、ナビ本体内の渋滞データバンクの情報とも合わせ、渋滞回避に最大の性能を発揮する。《撮影 石田真一》 メニュー画面もドラッグでスクロール可能に。アイコンもわかりやすい。《撮影 石田真一》 ナビへの転送は本当にワンタッチ。「ここ行こ」アイコンをタッチするだけ。《撮影 石田真一》 スマートフォン画面から飛び出した紙飛行機がナビ本体の画面で舞う。《撮影 石田真一》 パナソニック「ストラーダHシリーズ」これは最近の車種に採用が増えてきた幅広200mmコンソールに対応する『CN-H510WD』。《撮影 石田真一》 パナソニック ストラーダ Hシリーズ CN-H510D パナソニック ストラーダ Hシリーズ CN-H510WD パナソニック オートモーティブシステムズ マルチメディア3ビジネスユニット 藤本周一氏