トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》

ディーラーにあった普通充電設備で『プリウスPHV』を充電すると約2時間ほどで満充電の表示が出た(スペック上は約90分)。さっそくEV走行可能距離をチェックしてみると「18.7km」と予想を大きく下回る距離。カタログで謳っているのは「26.4km」だから8km近く少ない。

リチウムイオン電池は80%で一旦満充電となり、そこから徐々に充電していく特性を持つ。もしかしたら、ディーラーに置いてあった充電設備はこの80%充電で満充電を表示してしまったのかもしれない。これでEV走行を実感することができる。さっそくEVモードでの走行を楽しんでみることにした。

コンソールにある「EVモード」ボタンを押し、インジケータを「EV」の表示に切り替える。これでEVとして走行が可能になる。アクセルをちょっと控えめに踏み込むとスルスルッと前に進み出した。この辺りまではHVの『プリウス』と同じ。

そこでさらにアクセルを踏み込む。HVプリウスはここでエンジンがONとなるが、プリウスPHVはそのままヒュルヒュルとEVとして走り続け、力強い加速感を味わえる。速度メーターはどんどん上がり、一般道の法定速度域はアッという間。伝わってくるのは僅かな風切り音とロードノイズだけで、車内は極めて静かだ。

ただ、EV走行可能距離はどんどん減っていく。慣れの問題だろうが、正直言ってあまり気持ちの良いものではない。残量が少なくなった時のEVに乗っている時の気持ちが分かるような気がした。近所への買い物、駅までの送迎をEVモードのままこなし、信号待ちでもエアコンが停止することもなく、車内はとても快適。その走りはなかなか心地良い。何よりガソリンを使わずに走っているという意識は精神的にも良い。

一方、このモードでもアクセルを力強く踏み込むとガソリンエンジンがONとなった。パワーを必要とする時はEVモードでもHVとして動作する。また、アクセルを緩めたり、ブレーキを踏むと回生による充電が始まり、その効果はEV走行可能距離に具体的なプラスの数字となって現れる。これを見ていれば無闇にアクセルを踏むことがいかに無駄を生んでいるかがわかってくる。

一般道ばかりではつまらないので、次はバッテリー残があるうちに高速道路へと繰り出してみることにした。ここでも急激な踏み込みをしない限りはEVのままどんどん加速していき、100km/hに到達するまでの所要時間は体感的にガソリン車と大差ない。むしろ、踏み込んだ時に身体にグッと来る加速感はガソリン車にはない力強さだ。

高速走行をするとバッテリーは急激に減っていくと予想したが、それほどでもなく、少しずつ着実に減っていくという感じ。速度を100km/hで保ち、EV走行可能距離が底をつく状況を待つ。

そして「その時」はついにやってきた。わずかながらエンジンの動作音が伝わってきて、アクセルにも若干の変化が感じられた。でもその差は注意していなければほとんど気付かないレベル。

この時、メーター内でのEVアイコンは消え、通常のHV表示に切り替わっていた。ここからはHVとして走行することになる。これがEVだったら真っ青なのだろうがPHVなら不安はない。EV走行できる距離は限られるが、精神衛生上から言っても大きなプラスとなることは間違いない。

参考までに、この時に走行した距離は72.3km。1時間42分を走行したが、このうちEV走行できたのは10km弱。これでトータルの燃費は29.5km/リットルと出た。走行全体のうち、7分の1をEV走行した中でこの燃費はまずまずといったところか。

近所の買い物や送迎などの日常利用であればEVモードでほぼ賄え、この範囲を超えなければガソリンはほとんど使わずに済む。

「ガソリン入れたのはいつだったかなぁ」これも決してオーバーな表現ではない。ラインアップさえ増えればPHVにしてもいいかも…と実感した次第だ。

トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》