トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》

実は個人的な体験としてバッテリーで走行することに対してイマイチ懐疑的だった。

というのも7〜8年前に電動アシスト自転車を購入したが、このバッテリーが2年を過ぎた頃から急激に充電効率が落ち始め、往復で3km程度を走ると残充電がほとんどなくなってしまうようになった。

リフレッシュを行ってみたものの、3年ほど経った頃には充電してもほとんど走れない状況になってしまった。バッテリーの買い換えも考えたが、価格が自転車の3分の2程度することがわかり断念。その後、2011年の暮れにクルマを購入することになり、当然EVも候補に挙がったが、この経験がトラウマともなり、結局、無難にHVプリウスを選んでしまった。

電動アシスト自転車に使われていたバッテリーはニッカド電池で、EVが採用するリチウムイオン電池とは大きな性能差があることはわかっているつもりだ。しかし、バッテリーに100%信頼を寄せることはできず、いざという時はガソリンエンジンで走れるHVに実用面での安心感を求めたということである。そんな中でリチウムイオン電池を搭載する『プリウスPHV』の試乗に臨むことになった。

PHVといえばまずは充電。残念ながら自宅には充電設備はない。そのため近所の自宅付近(千葉県佐倉市)の充電設備を探してみた。

するともっとも数が多かったのは日産ディーラー。トヨタ系ディーラーはネッツ店、あとは三菱ディーラーがあるのみ。一般の充電設備はユーカリが丘に不動産デベロッパー「山万」が2箇所で用意していた。すべて普通充電設備だ。トヨタのプリウスPHVだけに、さすがに日産や三菱のディーラーでは充電してもらえないだろうとまずは「山万」に問い合わせてみる。

すると答えは「マンションの住人向けで一般には提供せず」とのこと。今後も提供する予定はないそうだ。次はPHVを取り扱うネッツ店へ連絡してみると、「用意しているのはPHVが無料充電できるGステーションではなく、普通の壁付けコンセント。充電はできるが満充電で300円/回の費用がかかる」とのことだった。

そこで、普段お付き合いのあるトヨタ系ディーラーに相談。答えは「PHV用に緊急充電設備はあるが一度も使ったことがない。しかし経験を積む意味で、無料対応しましょう」とのこと。とりあえずは充電してもらえることになった。初体験となった充電への対応を通して感じたのは、一般の充電環境はまだまだ追いついていない、ということ。本来なら無料で充電できるはずのGステーションのある場所さえ想像していたようなスムーズな対応は得られなかった。

充電をしてくれたディーラーによれば、「PHVを購入した人は自宅に充電設備を備えるのが基本なので、ガソリンでも走れるし、必要性をあまり感じないのではないか」という。考えてみればプリウスPHVは急速充電には対応しておらず、出掛けた先で充電するのは現実的ではない。

世の中では急速充電設備が徐々に広がりつつあるが、普通充電のみ対応のプリウスPHVは蚊帳の外。ガソリンエンジンでも走れるPHVならではの優位性が、ディーラーを含め、充電設備設置企業の関心を低くしてしまっているのかもしれない。

トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》 トヨタ・プリウスPHV《撮影 太宰吉崇》