歴代トヨタプリウス。左から2代目、初代、3代目(現行型)

◆販売台数は前年の3倍に急増

毎月の車名別新車販売ランキング上位を占めるようになったハイブリッド車(HV)。日本自動車販売協会連合会では、年に1度しか統計を発表しないので、2012年上半期(1−6月)の乗用HVの販売動向をまとめてみた。HVのない軽乗用車を除いた登録乗用車全体に占める比率は29.4%と、11年通年より10ポイント余り拡大し、一段と占有率を拡大していることが分かった。

上半期に新車登録されたトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の乗用HV(トヨタはプラグインハイブリッド車=PHVも含む)を集計した。輸入車についてはごく少量と見られるため、除外している。日本3社の上半期合計は49万0162台で、一気に前年同期の約3倍に膨らんだ。

06年以降、登録乗用車に占めるHVの比率は以下に示すように推移しており、トヨタの3代目『プリウス』やホンダの2代目『インサイト』が発売された09年に2けたに乗っていた。

登録乗用車のHV比率推移は以下のようになっている。

06年・2.6%、07年・2.9%、08年・3.9%、09年・13.2%、10年・16.4%、11年19.0%、12年上半期・29.4%

◆トヨタ、ホンダとも登録乗用車の45%を占める

12年上半期は、トヨタの『アクア』という大型商品の登場や、前年までに既存モデルへの展開を拡充したホンダの販売増で、HVシェアは一気に拡大した。こうした商品の充実に加え、11年末のエコカー補助金、12年4月の新エコカー補助金の導入により、既存ガソリン車より割高なHVが求めやすい環境となっているのも、HVシェア増大の背景となっている。

メーカー別では、トヨタが前年同期比3.4倍の36万6693台になり、登録乗用車に占める比率は45%だった。車種別ではミニバン仕様の『プリウスα』を含むプリウスが2.1倍の約17万5000台だった。注目すべきはプリウスαでプリウス名を冠したHV全体の44%を占め、 2台に1台という水準に達する勢いだ。

また、世界初の本格的な量産PHVとして1月に発売した『プリウスPHV』は6871台となり、年間3万5000台〜4万台としていた販売計画からは大きく出遅れている。逆にアクアは約12万8000台となって、計画の2倍ペースと好調を持続している。

ホンダはHVの総販売数が2.2倍の12万1474台で、登録乗用車でのウェートは45%。トヨタと同じだった。車種別では11年6月に『フィットシャトルHV』が加わった『フィット』のHVシリーズが、82%増の約7万6000台と最も多かった。

◆下期からは低燃費ガソリン車との競合が激化

トヨタのプリウスαが健闘しているように、フィットシリーズでもシャトルのHVがフィットHVを2000台弱上回る約3万9000台だった。シャトルでは実に89%をHVが占め、実質的にはHV専用車の様相だ。また、『フリード』のHV比率も52%にのぼっており、燃費が悪くなりがちなミニバンでのHV人気が高まっていることを示している。

高級車を中心にHVを展開してきた日産は、『フーガ』のHVと、HV専用車として復活した『シーマ』を合わせて1995台だった。ちなみに電気自動車(EV)の『リーフ』は12%増の6115台となり、EV重視の事業戦略が上半期の実績にも表れている。

下期は日産の新型『ノート』や三菱自動車工業の新型『ミラージュ』など、既存ガソリン車で燃費性能を高めたモデルが登場する一方、エコカー補助金の終了でHVへの注目度もやや低下する情勢にある。販売比率3割がHVにとっては、当面のひとつのカベとなりそうだ。

トヨタ・アクア《撮影 宮崎壮人》 トヨタ・プリウス 日産・ノート《撮影 内田俊一》 トヨタ・プリウスα ホンダ インサイト