N BOX+ カスタムターボ 2トーンカラー仕様《撮影 青山尚暉》

レジャーから介護まで使える『N BOX+』には、なるほど、誰も思いつかなかった荷室の使い勝手が与えられている。

ベッドモードにすれば完全フラットなフロアに身長190cmの人が乗れる…と書くと簡単だが、これまで容量系軽自動車でもホイールベースや全長の制約から、大人が足を伸ばして寝られる空間はあり得なかった。実際には前席まで使うフラット空間だが、それでもイザというとき、大人2人が快適に寝られるか寝られないかの差は大きい。

スロープ形状の荷室フロア後端を地上330mmの低さまで追い込めたのは、もちろん、超薄型燃料タンクが前席下にあるホンダ独自のセンタータンクレイアウトのたまものだ。そして荷室の超低床化によってバックドアもまた大きく長くなったわけだが、逆発想すれば、大きなひさしになる。雨の日、その下にテーブルを広げることだってできるのだ。ホンダアクセスのアクセサリーでテールゲートカーテンまで用意されている配慮もうれしい。

ちなみに、TVCMでもアルミ製スロープをアピールしているが、実は330mmという荷室後端開口部高ゆえ、スロープを使わずとも自転車などが苦もなく乗せられる。室内高は何と1400mmもあり、大人がちょっと背をかがめて室内を歩くことができるし、ぬれたレインコートなどを突っ張り棒を使って干すことだって可能だ。後席を倒せば3人乗車状態でスキー板も積載可。まさに魔法の荷室、パッケージなのである。

これまでの車いす仕様のスロープ&機構は、スロープを使った後、格納したときにスロープを立てて収納しなければならなかった。それでは、荷室などの犠牲が大きい。

そこでホンダが考えたのが、最終的にフロアボードで上下2段に仕切れる荷室の下段にコンパクトに収められるアイデアだ。アルミスロープをぐっと身近に、使いやすくしてくれたのだ(価格は13万7000円と高価だが)。

試乗したのはN BOX+標準車のターボモデル。エンジン、CVTなどは基本的にN BOXカスタムターボと同じで、足回りも重量増に対処する微細な変更のみ。

しかしN BOXカスタムターボより乗り心地がいいのは、ズバリ、今回、ターボモデルのタイヤサイズをN BOXの15インチからN BOX+全車ともに14インチに変更したからだ。おかげで大人1人分の重量増もあって、N BOXカスタムターボの悪癖だった、足が硬すぎて路面によってヒョコヒョコする落ち着かない乗り心地が、カーブや山道、レーンチェンジなどでの不安なロールを最小限に抑えつつ、改善されていた。

横滑り防止装置のVSA、ヒルスタートアシストも全車標準で、背の高さを感じさせず安定感たっぷりに走ってくれるから安心安全だ。動力性能的にはやはりターボが基準と考えたい。

このN BOX+のペットフレンドリー度は文句なしのレベルにあり、個人の愛犬家にはもちろんだが、クレートを使う動物レスキュー関係者、獣医師さんにも薦めたい1台である。


■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、ドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

N BOX+カスタムターボ《撮影 青山尚暉》 バッグドアは相当大きく長い。ひさしになる。《撮影 青山尚暉》 インパネ。《撮影 青山尚暉》 前席《撮影 青山尚暉》 アイドリングストップ解除スイッチ完備。《撮影 青山尚暉》 ルーフコンソール。《撮影 青山尚暉》 後席格納時にヘッドレストを固定しておける場所があって便利。《撮影 青山尚暉》 ボード上段位置。下段にも荷物が入る。《撮影 青山尚暉》 2トーンカラー仕様のドアミラー。《撮影 青山尚暉》 後席。《撮影 青山尚暉》 スライドドアからの乗降はワンステップフロア。《撮影 青山尚暉》 後席の下にもスペースがある。《撮影 青山尚暉》 最大荷室。《撮影 青山尚暉》 2トーンカラー仕様のホワイトホイール。《撮影 青山尚暉》 エンドボード。フロア後端がスロープ状になっていても、これで荷物が出てこない。《撮影 青山尚暉》