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富士キメラ総研は、エネルギー&エレクトロニクス(E&E)10分野で使用される部材やマテリアルの市場を分析し、結果を報告書「2012年エネルギー&エレクトロニクスマテリアルの将来展望」にまとめた。

E&E10分野を選び市場の現状を整理し、使用量、注目素材動向を明らかにし、さらに使用される注目部材・マテリアル21品目をケーススタディしその詳細をレポートした。

調査では、太陽電池、太陽熱発電、風力発電、リチウムイオン二次電池、ハイブリッド車(HV)・電気自動車(EV)、パワーデバイス、LED、ワイヤレス給電、エネルギー関連分離膜、エネルギー・ハーベスティングの10分野を対象とした。これらE&E関連の2011年市場は13兆1670億円だったのが、2015年には26兆3834億円と、倍増すると予測する。

市場を牽引する成長市場は、新エネルギー分野の太陽光発電に加え、風力発電や太陽熱発電などの市場。また、HV・EVは今後、EV市場の拡大、関連市場としてパワーデバイスやリチウムイオン電池の需要増も予測される。

エネルギー・ハーベスティングやワイヤレス給電などは既に一部実績があるが次世代技術に位置づけ、2015年以降本格的に拡大する次世代市場と推定する。

2011年の注目分野の採用材料では、対象E&E分野の材料使用量は、465万5666tで(鉄筋コンクリートの数量は除く)、内訳は金属・合金系材料が62.0%、セラミックスが21.3%、樹脂素材が14.3%となった。

金属、合金類の合計規模は288万6941t。内訳は、スチール(鉄系)が約半数を占める。風力発電や太陽電池など、構造材として利用される割合が高い。スチールに次いで、特殊鋼やアルミニウム材の数量規模が大きい。スチール、特殊鋼、アルミニウムまでで全体数量の95%を占める。風力発電、太陽電池、太陽熱発電の3領域で、全体の90%の数量規模を占める。金属は構造材としての利用割合が大きい。

セラミックスの合計規模は99万2520tで、ガラスの使用割合が98.4%と大半を占める。ガラス基板として太陽電池での使用割合が多くなる。風力発電では、ブレードの軽量化目的にGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)が主に利用されているほか、アルミナや窒化アルミニウム、シリカなどのセラミックスが利用されている。素材が持つ耐熱性や放熱特性、反射防止(表面処理)特性などの機能性材料として利用が大半となる。

樹脂素材の合計数量規模は66万6776tで、主にエポキシやシリコーンなどの熱硬化系樹脂の割合が約60%を占める。次いで太陽電池用の封止材としてEVAが23.5%と大きい。PETフィルムも同じく太陽電池用として大きなウエイトを占める。LEDやパワーデバイス、HV・EV向けには各種エンプラが利用される。

一方、ケーススタディで選んだE&E分野の注目部材7品目・マテリアル14品目は、高成長が見込まれるが、特にパワー半導体用素子として期待されている化合物半導体SiC(炭化ケイ素ウェハ)市場は、2011年の130億円から、4年間の平均成長率が38%と最も大きく、2015年には475億円市場になると予測する。

有機系マテリアルとして選んだ変性PPE、PPS、PBT、エポキシの中では、変性PPEの成長性が2011年から4年間で24.7%と最も高い。太陽電池用ジャンクションボックスではデファクトスタンダードの部材であり、HVやEVなど、様々な用途でも展開される見通し。

金属系マテリアルでは、各種発電の屋外設備で長期使用することから、耐候性の高い高耐食性溶融めっき鋼板が、国内で2011年から5年間、平均22%の伸びを予測、注目マテリアルに位置づけられるとしている。

さらに、注目部材であるネオジム焼結磁石は、2011年の1026億円から2015年には2100億円と倍増すると予想。

ネオジム焼結磁石は、HVやEVのモータや、風力発電用モータ(ジェネレータ)に使用される永久磁石で、HV・EVや風力発電市場の拡大に伴って高成長を遂げている。

レアメタルのネオジムの原産地は中国が大半を占めており、輸出規制から調達が不安定で、レアメタルフリーの磁石開発が急ピッチで進められている。中・長期的には風力発電とHV・EVでの需要増が見込まれ、数倍に膨れ上がる可能性もあると予測する。

ネオジム焼結磁石市場は国内3社に集約されている。トップメーカーは日立金属で50%前後のシェアと見られる。自動車用は日本に集中しているが、風力発電は海外市場が先行しており、今後は日本国外でもエコカー生産の拡大が予測されるため、こうしたメーカーの海外進出が検討される。現在メーカーは、原料調達リスクの分散に取り組んでおり、日立金属は米国で原材料を調達する。

トヨタ・プリウスPHV。車体後方、トランクルーム下、四角い装置がリチウムイオン電池。