予選での失敗など関係なし。好スタートと終盤の連続パッシングで今季2勝目を挙げたロッテラー。

前戦から約1カ月半のインターバルを挟み、全日本選手権フォーミュラ・ニッポン第4戦が、富士スピードウェイで開催を迎えた。15日の決勝レースを制したのは、前年王者アンドレ・ロッテラー(トムス・トヨタ)。8番グリッド発進からの逆転勝利となった。

前日の予選同様、雨絡みの展開となった55周、約250kmの決勝。雨が強まったり、弱まったり、陽が陰ったり、照ったり、さらにはコースの局所的に強雨状態になったりという難しいコンディションの一戦となった。予選でまさかのQ2落ちを喫して9位、上位車のペナルティによって8番グリッドに繰り上がって発進したロッテラーは、「インサイドのラインをうまく通ることができた」というスタートで順位を大きく上げ、2周目には早くも3番手へ。先行2台を追う展開へと持ち込んだ。

トップを走るのは2番グリッド発進の大嶋和也(チームルマン・トヨタ)で、これにFニッポンでは自身初のポールポジションからスタートした中嶋一貴(トムス)が続く。さらにロッテラーが追う構図だが、3者は結果的に給油時にもタイヤ交換をせず、スリックタイヤのまま走り続ける戦略を採るかたちに。

そして終盤、ロッテラーはまず2位に後退していた大嶋をパスし、さらには土壇場の53周目に一貴もかわした。ル・マン24時間レース連覇の貫禄を見せつける逆転勝利で、今季2勝目をマークしてみせたのだ。一貴は2位に敗れ、大嶋は3位に終わる。鮮やかな首位奪取劇を「ザッツ、レーシング」というロッテラー。一貴も大嶋も日本屈指の気鋭だが、まだまだ役者が違う印象か。「僕は常に勝利を目指して走っている」とのあたりまえの言にも、なにか力が感じられるロッテラーだ。

敗れた一貴は、チーム1-2勝利だが「だいぶ、悔しいですね」と心情を吐露。ただ、「大きなミスなく、最後までいい位置でレースできたことは今後に活きると思います」と、強力チームメイトへのリベンジを誓った。これで選手権ポイントは29で首位。今季最初の2勝目獲得者となったロッテラーを4点リードだ。両者の同門タイトル争いの行く末が大いに楽しみになってきた。

結果的にトヨタエンジン勢が8位までのポイント圏を独占。第3戦を制し、ポイントリーダーとして今回の富士に臨んだ塚越広大(ダンディライアン・ホンダ)は、ホンダ勢最上位ながら9位と無得点に終わり、23ポイントのまま一貴から6点差のシリーズ3位に後退した。しかし残り3戦にはホンダ勢が強そうなコースが2つ残るため、彼にもまだまだチャンスはあるはず。

第5戦は3週間後、8月4〜5日に栃木県・ツインリンクもてぎで開催される。5月に同じくもてぎで開催された第2戦はロッテラーの優勝で、一貴3位、塚越5位だった。真夏の再戦、果たしてチャンピオン争いの状況はどう変化する!?

左から2位の中嶋一貴、1-2のトムス舘信秀監督、優勝ロッテラー、3位の大嶋和也。 ウイニングランを終え、今季2勝目の雄叫びをあげるロッテラー。 Fニッポンでは自身初のポールを獲得した中嶋一貴のマシン。 今回と次戦にリアル・ホンダからスポット参戦の中山友貴。デビュー戦は15位完走。 2番グリッド発進の大嶋和也。 近藤真彦が率いるチームの安田裕信は、コースインしたのち、グリッドで唯一レインタイヤを履く。しかし、この作戦は裏目に。 微妙な天候のなか、各車がコースインする(山本尚貴のマシン)。 塚越広大は「ポイント首位を守る」ことを目指したが、無念の首位陥落。 表彰台でのスパークリングファイトの標的はトムス舘監督。